2021年1月25日 (月)

ササるプレゼン/長谷川孝幸

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 ササるプレゼンとは、相手の心を動かすことで、「抵抗なく聞けて」「行動変容を促す」プレゼンのこと。「そうかな?」ではなく「そうだろうね!」と感じさせ、目に見える結果を得るのです。頭(理屈)でも、心(情)でもわかるのが、ササる話です。ササらない話は行動変容を生みません。渋々動いてくれても、不満感が残存してしまいます。

プレゼンが芸術的、文学的かつエモーショナルであったとしても、買ってくれる、使ってくれる、頼んでくれなければ、ビジネスとしては「お願い」も「お勧め」も成立したとはいえない。

「ササるように話す」のが、仕事の上ではなにより大事。

そもそもプレゼンとは「情報伝達と意思疎通を同時に実現するコミュニケーション手段」。

これが成立することにより、相手の行動変容を効果的に促す。

聴き手の行動変容を促すために――①納得、②受容、③関心、④感心、⑤メリット、⑥客観性、⑦情、⑧簡潔明瞭、という8つの条件を一定以上充たしているトークや文章が提供されていることをプレゼンの基本とする。

一般的に仕事上のプレゼンで聴き手が求めるのは、次のいずれか。

●旬のテーマ

●普遍的なテーマ

●目新しいテーマ

●直接業績アップや改善が発生するテーマ

●その話を聴くことで外聞がよくなりそうなテーマ

逆に言えば、これらに当てはまらないものを、仕事上で聴きたいとは思わない。

「ササるテーマ」として認識してもらうためには、タイトルが凡庸では関心を買えない。

また奇抜過ぎて興味がついていかない、エッジを効かせ過ぎて今ひとつピンとこない、といった場合にも選んでもらえない。

次に、プレゼンはテーマが魅力的でもコンテンツがよくなければ、相手には受容も納得もしてもらえない。

次のような構成であると大きな疎漏はなくなる。

●当該テーマの基本概念の共有

●当該テーマの理解のあり方

●当該テーマの今後の見通しと展開法

独自の型を作ることに慣れていない方は、まずはこの構成でコンテンツを組み立てていくと安心できるだろう。

最低限言わなければいけないことというのは、結論。

最終的に何を伝えなければいけないのかを常に頭に置き、そこからずれないように話す。

そして結論からものを言う。

結論から逆算して話すから、聴き手はストレスフリーで話を聴ける。

結論から逆算し、考えて話すことで、次のようなメリットがある。

●「あるべき姿」が明確になり、曖昧さがなくなる

●話の方向性が定まるので、ブレがなくなる

●早い段階で認識が一致するので、話し手と聴き手のブロックが小さくなる

●嘘、ごまかし、言いくるめ、言い訳が起こりにくくなり、信頼されやすくなる

●話している最中に緊張しても、迷いが出ても不安になりにくくなる

以上がプレゼンの基本である。

昨年からコロナの影響でリモートでプレゼンをする機会が増えている。

これまで以上にプレゼンの基本を押さえる必要が出てきているのではないだろうか。

2021年1月24日 (日)

ビジネスプロセスの教科書/山本政樹

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 ビジネスプロセスはお客様から始まりお客様に終わり、それがまた新たなビジネスプロセスの出発点となる終わりのないサイクルです。

本書ではビジネスプロセスを「お客様に始まりお客様に終わる価値提供のライフサイクル」と定義している。

ビジネスプロセスはいくつもの業務の集合体。

それぞれの業務はインプットとなるモノや情報に処理を加えて、より価値のあるモノや情報をアウトプットとして送り出す。

後工程の業務はそのアウトプットにさらに手を加えて、価値あるものに変化させていくことを繰り返し、最終的にはお客様に製品やサービスが届く。

この一連の流れを「ビジネスプロセス」と呼ぶ。

ビジネスプロセスマネジメントには三つの大きなポイントがある。

「自社のビジネスプロセスの構造理解」、「ビジネスプロセスの目標と実績の管理」、そして「適切な社内コミュニケーション」だ。

ビジネスプロセスマネジメントの一つ目のポイントは「ビジネスプロセスの構造理解」。

自社のビジネスプロセスが細部に至るまでどのような流れやルールで運営されているのか、情報システムや設備がどのように設計されているのかをしっかり管理する。

そのためには業務フローを作成するなどして、自社のビジネスプロセスを文書でしっかり可視化し、最新化された状態を保つ必要がある。

ビジネスプロセスの価値を高めていくためには、「ビジネスプロセスの目標と実績の管理」が必要。

具体的には、ビジネスプロセスに適切な目標を設定した上で、達成状況を管理するための指標を設定する。

これがいわゆる「KPI」。

指標からビジネスプロセスの実績を把握し、目標に対して実績が不足であればビジネスプロセスを改良する。

最後のポイントは「適切な社内コミュニケーション」。

どんな会社でも部署と部署、現場と管理職や役員、自社とベンダーの間というように、人や組織の境目にたくさんの認識のズレがあり、これがビジネスプロセスのムダを引き起こす。

このような認識のズレは、悪意やサボタージュのような理由で引き起こされることは稀で、多くはお互いのコミュニケーション不足から引き起こされている。

お客様の期待から始まり、社内の人、モノ、情報といったありとあらゆる要素が連携して、最終的にお客様の期待に沿った製品やサービスが提供されるという一連の仕組み、これをビジネスプロセスと呼ぶ。

人も部署も、機器類もITも、「情報を伝える」という業務そのものも、すべてビジネスプロセスの構成要素。

事業とはシンプルに考えると、ビジネスモデルを考え、ビジネスプロセスに落とし込むことで実現される。

ビジネスモデルなしではビジネスプロセスは構築できないし、ビジネスプロセスに落とし込まれないビジネスモデルはただのアイデアでお客様に価値を届けることはできない。

事業はどちらが欠けても成り立たない。

業務は必ず「インプット処理アウトプット」という構造でできている。

事業が行き詰まった時、ビジネスプロセスからアプローチすることによって新たな気づきが生まれるのではないだろうか。

2021年1月23日 (土)

片づけられない自分がいますぐ変わる本/大嶋信頼

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 「催眠状態で片づける自分」という暗示で、普段自分を縛っている暗示を解く。すると本来の自分の姿を見ることができるのです。ポイントは「目の前にないものを見ている時」です。

片づけられない人とは決して頭の悪い人ではない。

一般的には計算や記憶、物事を理解する力、というのが優れていると「頭がいい人」と思われる。

このような人は知能テストなどでいうところの「言語性知能」が発達している。

一方で、パズルを組み合わせるとか、優先順位をつけて仕事をこなす、ということが優れていると「優秀な人」と思われる。

このような人は「動作性知能」というものが優れている。

この二つの知能のバランスが悪い状態、つまり、どんなに「言語性知能」が高くても「動作性知能」が発達していないと優先順位がつけられなくて片づけられなくなってしまう。

買い物に行ったら必要なもの以外も買ってしまう。

これも優先順位がつけられないから起こってしまうこと。

「言語性知能」は理解力があり、算数、単語の暗記などが得意な人ほど発達しているという知能。

そして「動作性知能」は積み木を組み立てたり、探し物をしたり、仕事などの作業をする時に必要な知能。

このうち言語性知能だけが高いと「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」という感じで、やるべきことをたくさん考えられるが、その一方で「やるべきこと」が頭の中にたくさんたまってしまい、それに優先順位がつけられなくなってしまう。

つまり、動作性知能が言語性知能について行けないと「何から優先していいのかわからない」という感じで固まってしまって、動けなくなり、片づけができなくなる。

言語性知能が高くて、動作性知能がそれほどでもないと「細かすぎてよく見えず、ピースのどれとどれをくっつけたらいいのかわからない!」となってしまう。

ではそのような人が片づけられる人になるにはどうすればよいのか。

それは自己暗示をかけること。

片づけが苦手な人は「片づけを意識したらできなくなる」という自己暗示にかかっている。

タイミングは「片づけよう」と思って、「それができない」という自分を想像し催眠状態を作りだした時。

つまり、目の前に見えないものを見たその時が「暗示」が一番効くチャンスになる。

いつもだったら「思っているけどできないダメな私」という暗示を入れてしまうところを「催眠状態で片づけをする自分」と頭の中で唱えてみて暗示を入れてしまう。

すると、その暗示が催眠状態で見事に効果を発揮して、「あれ? 何も考えないでものを捨てているかも!」という感じになる。

この二つの知能である「言語性知能」と「動作性知能」のバランスが悪い状態になると、優先順位がつけられなくて片づけられなくなってしまうというメカニズムは初めて知った。

2021年1月22日 (金)

「行動デザイン」の教科書/國田圭作

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 「行動」で発想すると、市場とは「同じ目的、同じ時間帯や気分の中で選ばれる可能性のある選択肢の集合体」という規定になります。
 そして、行動で捉えた市場の総和、つまり「子育て市場」や「朝食市場」の総和が全体で一つの国内消費の総市場を形成している、というのが私たち研究所の見立てです。だから着目すべきはモノ単位の市場規模や成長率ではなく、「子育て行動」がつくり出す「子育て市場」や、「朝食行動」がつくり出す「朝食市場」の総量とその増減なのです。

本書は、今までマーケティングをモノで発想しがちだった「モノ頭」を、「行動頭」に切り替えるためのアプローチを解説している。

「マーケティングの新戦略」といってもよい。

人は、「持つ」「運ぶ」「しまう」「使う」「捨てる」……という行動を介してモノとつながっている。

例えば「映画」の価値を作品(モノ)の内容ではなく「映画館という特殊な(非日常的な)環境で時間を過ごす行動」だ、というように捉え直す。

実際、それによって新たに誕生したビジネスがある。

「シネコン」だ。

ゆったりした椅子に座って、飲食しながら映画を楽しむことができるシネコンは、デートスポットとして再び若い世代も集客できるようになった。

どの作品(モノ)を見るかを前もって決めて、それを上映している映画館を探す、というのが従来の「映画行動」の常識だった。

それを「とりあえずシネコンまで行って、その日の上映リストの中で2人の見たい作品を選ぶ」という行動に転換することで、それまでにない「デート行動」をデザインできたことが大きかった。

モノの括りは固定的だが、行動の括りはかなり弾力性がある。

シネコンを映画行動で捉えても、デート行動で捉えてもかまわない。

自分に都合のいいように括りを設定してみればいい。

そこに発想転換の鍵がある。

「駅ナカ」という言葉がある。

「駅前」という立地を表す言葉から派生した造語だが、「駅ナカ」には、「駅前」にくらべて立地だけでなく生活者の移動時間・移動空間を受けとめる、という「行動」の視点がより包含されている。

行動の括りは、市場の括り。

つまり、〈「駅ナカ」市場〉という新しい括り。

駅を通過する生活者の一日の行動、という視点で市場を新しく括り直したことで、そこにもともとあった需要が大きく顕在化し、ビッグビジネスになった。

「モノ頭」を、「行動頭」に切り替えることによって新しい発想とビジネスが生まれる。

「行動デザイン」

始めて聞いた言葉だが、可能性を感じるアプローチだ。

2021年1月21日 (木)

起こることは全部マル!/ひすいこたろう、はせくらみゆき

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 「起こることは全部マル!」という認識のパラダイムシフトが、実は人生を丸ごと大きく変える革命の扉になります。

すべての出来事は、私たちを高めるために起きている。

私たち次第で、すべての出来事は、私たちの愛を深めるきっかけにできる。

「起こることは全部マル」と現実を受け入れた瞬間に私たちの前に立ちふさがっていた「壁」を新しい時空の「扉」に変えられるのだ。

ホップ、ステップ、ジャンプの3ステップで時間軸にそって話を進めると、

①ホップ「過去」──過去(悩み)を受け入れる。

②ステップ「現在」──いま、ここを味わう。

③ジャンプ「未来」──未来にときめく。

22世紀的には、時間の観念がこう変わる。

「過去」+「未来」=「現在」

現在の中に過去も未来もある。

逆をいえば、いま、ここ、現在を変えることで未来は変わり、わだかまりなどの過去への認識も変えることができる。

どんな過去であれ、過去はこれでよかったんだと受け入れることで、過去を味方にできる。

未来に関しては、ときめく未来にフォーカスすることで、未来を味方にできる。

すると、過去から、未来から、いま、ここである「現在」に向けて「風」が流れてくる。

鳥は努力で空を飛んでるわけじゃない。

ヒナは努力してタマゴからかえるわけじゃない。

自然を見ればわかる。

自然界はがんばってるわけではない。

ただ、宇宙に流れるリズム(風)にのっているだけ。

がんばるのではなく、過去におこったことはすべて受け入れ、現在を味わうことによって、未来に向けての風にのることができるということであろう。

2021年1月20日 (水)

9割の会社が人事評価制度で失敗する理由/森中謙介

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 実際に運用するのも適用されるのも、温かい血の通った、感情のある人間です。評価制度の何よりも大事なピースは、結局のところ人間なのです。
 そこを忘れて、制度を導入すればすぐに機能して業績をみるみる向上させる、ITシステムと同じように考えると失敗します。

人事評価制度を導入に失敗している企業は多い。

どうして失敗してしまうのか?

そもそも、すべての会社に当てはまるような、万能の評価制度などないし、お仕着せのシステムをポンと導入してすぐ成果が出るほど、制度設計は容易ではない。

どれほど客観的な評価表を作り、論理的に点数をつけたとしても、評価をするのもされるのも、心を持った人。

される側が納得できる評価をするためには、評価をする側にもそれなりの心構えや見識が必要だし、制度の導入自体を社員にリーダーが心から納得させられなければ、やはり機能しない。

社長と社員との間にしっかりとした信頼関係とコミュニケーションが成立していなければ、そもそも組織として機能しない。

ましてそんな状態で社長が社員を評価しても、納得してもらえるはずはない。

人事評価制度は、リーダーの資格がある人が、部下との信頼関係の下で正しく運用してこそ、社員が正しく伸び、結果として会社の業績も伸びていく。

人事評価制度とは、学校の通信簿のように社員の能力に優劣の点数をつけて、支払う給料を決める道具ではない。

会社の「あるべき姿」や理念、理想像を明確にし、そのために社員が発揮すべき能力や思考を、役割ごとに定義する。

そして、そこへの「到達度」を評価という形で見せることで、現在の社内での自分の立ち位置を知り、会社全体をより高みへと向かわせるためには、何をするべきかを社員自身が考えるきっかけとする。

評価の結果は等級などの形で示すことで、社内における自身の立ち位置を見せたうえで、今後はどちらに、どのような努力をすべきなのかを示す。

人事評価制度の要諦は、自社が目指すゴールを示し、そこに向かうために社員に求める資質や行動がいかなるものであるかを明示したうえで、そこから現状がどれほどの距離にあるかを、本人に分かりやすく説明することなのだ。 

制度の導入で成功する企業の経営者は、必ず正しいリーダーシップを備え、優れた幹部や管理職に支えられている。

優れた人事評価制度とは、彼らの本来の資質や能力を引き出して、会社が目指すべき理念や理想を言語化した、従業員が生き生きと働くための道しるべとなる。

だから、導入から本格的に制度を適用するまでには時間をかけるべきだし、導入後も常に内容を見直してその会社にふさわしい制度へとアップグレードしていく姿勢が必要。

人事評価制度を構築することは、自社を客観的に評価し直し、時には目を背けたくなるような弱みも直視して、改善を誓うことでもある。

すなわち、人事評価制度の前に、会社の再評価が必要なのだ。 

会社が求める人材像、ひいては会社が目指す将来像をしっかりと示し、それに沿った働きぶりを制度の運用を通して実践することで、会社全体が少しずつ、制度が目指した方向性へと変わっていく。

結果としてそれが顧客満足や業績にも実を結ぶ。

人事評価制度導入の狙いと成果とは、そういう地道なものだという認識は持つべきだろう。

2021年1月19日 (火)

才能は開ける/ロジャー・ハミルトン

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 方向性を知るには、自分の現在地だけでなく、目的地もはっきりわかっていなければいけません。だからこそ明快な「フューチャービジョン」が必要です。

本書は、私たちがまだ知り得ていない才能に気づき、その才能に応じた方法で、経済的な自由を手にするために書かれた本。

才能にフォーカスを当てた「ウェルスダイナミクス」と、レベルを表す「ウェルススペクトル」という二つの指標を使って、富への三次元マップの進み方をご紹介している。

「ウェルスダイナミクス」は富を創造する4種類の才能を表す。

「ダイナモ」、「ブレイズ」、「テンポ」そして「スチール」のいずれか。

・創造することが好きな「ダイナモ」

・人とつながることが好きな「ブレイズ」

・人の役に立つことが好きな「テンポ」

・詳細が好きな「スチール」 あなた

「ダイナモ」の人

ダイナモの人は、アイデアマン。

得意なことは、創造。

ダイナモは新しいことを始めて、前進させることができる。

誰よりも未来志向で、「雲の中に頭を突っ込んで(非現実的)」、持ち前の飽きっぽさで成功する。

不得意なことは、物事を完結させること、細かい気配り、集中することなど。

「ブレイズ」の人

ブレイズの人は、社交的な人物。

得意なことは、会話とコミュニケーション。

人間関係、思いやり、そして対話がすべてであり、人との対話、ストーリーを話すこと、聞くことで学び、人脈を広げることで自分のブランドを築き、拡大することを得意とする。

逆に不得意なことは、詳細さ。分析や細かい計算を苦手とする。

「テンポ」の人

テンポの人は、五感に優れた人物で、地に足をつけた多種多様な活動にかかわる。

とても実践的な人で、周りから推薦や紹介を得ることが得意。

期待すべきは時間内に必要なことを完成させること。

逆に、創造的な計画を練ることを期待してはいけない。

革新、人前で話す、戦略的な計画を立てる、物事の全容を把握することは苦手。

「スチール」の人

スチールの人は詳細に強く、理系タイプと言える。

得意なことはずばり「計算」。

ハンドブックやマニュアルが大好きで、細かい部分まで徹底的に読み、全情報を理解することを好む。

腰を据えて物事を正確に処理でき、慌てず、自分のフロー(流れ)を築くシステムを構築できる。

一方、苦手なのはコミュニケーション。

「ウェルス灯台」は、9つのレベルから構成される。

各レベルとは、「被害者」、「生存者」、「労働者」、「プレーヤー」、「パフォーマー」、「指揮者」、「主催者」、「作曲家」そして「レジェンド」とつながっていく。

まずは、最初の3つのステージ「被害者(赤外線レベル)」、「生存者(赤のレベル)」「労働者(オレンジのレベル)」から抜け出し、ステップアップすること。

生きているあらゆるシステムにはフローがある。

私たちの中にもフローがある。

才能、商品、情報、富にいたるまでフローを持っており、このフローが交わると、富が成長していく。

要は現在地と目的地を明確化し、目的地に至る自分なりのプロセスを具体化し、着実に一つひとつ実行してゆけば、確実に目的地までたどり着けつということであろう。

2021年1月18日 (月)

経営者のノート/坂本光司

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 人の幸せは4つといわれる。
 1つ目は、人にほめられること。2つ目は、人に必要とされること。3つ目は、人の役に立つこと。そして4つ目は、人に愛されることである。
 この4つの幸せは、どうしたら得られるのか。結論を先に言えば、「働くこと」である。働かなければ、この4つの幸せを得ることはできない。

すべての活動の要は、目的、手段、そして結果の3つである。

中でも最も重要かつ大切なものは、目的である。

このことを経営者はひと時も忘れてはならない。

企業はもとより、すべての組織体の経営の目的・使命は、その組織に関わるすべての人々の、永遠の幸せの追求・実現である。

経営には、時代の変化に合わせ変えるべきものと、どのように時代が変化しても決して変えてはいけないものの2つがある。

環境や時代がどのように変化しても決して変えてはいけない「あり方」とは、正しい企業経営の実践、お天道様に顔向けのできる経営の実践、つまりその組織の存在目的・使命である経営理念に基づく経営の実践である。 

企業とは、人を幸せにするための・人が幸せになるための場所のことをいう。

企業とは、社員や顧客など、とりわけ関係の深い5人を幸せにするための、また幸せになるための場所のことである。

経営者を初めとする組織のリーダーは、特に重要な関係者5人の、永遠の幸福を追求・実現しなければならない。

5人とは、

第一に「社員とその家族」であり

第二に「社外社員とその家族」であり

第三に「現在顧客と未来顧客」であり

第四に「地域住民・地域社会、特に障がい者等社会的弱者」であり

第五に「株主・支援者」

この5人のなかでとりわけ重要なのが、「社員とその家族」と「社外社員とその家族」の幸福の追求・実現。

なぜならこの2人が、顧客や地域住民、さらには株主・関係者等に提供する感動的価値の創造的担い手だからだ。

「五方良し経営」のなかで、経営者・幹部社員が最も重視すべき人は、顧客や株主ではなく、社員とその家族である。その幸せづくりこそが経営者の仕事である。

社員第一主義経営は、決して顧客を軽視しているわけではない。

顧客が大切だからこそ、社員がより大切なのだ。

つまり、ES(社員満足度)なくしてCS(顧客満足度)はあり得ないのである。

経営の3要素は、ヒト・モノ・カネではなく、1に人財、2に人財、3に人財。他はすべて人財のための道具にすぎない。

経営の3要素は、「ヒト・モノ・カネ」、「人材・技術・情報」などではなく、「1に人財、2に人財、3に人財」であること、そして他は人財のための資源、道具にすぎないということを、経営者は決して忘れてはならい。

「人を大切にする経営」と言っている経営者は多い。

しかし、それが実質となっている企業は意外と少ないのではないだろうか。

2021年1月17日 (日)

結果を出し続ける人が夜やること/後藤勇人

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 人間の脳は、騙されやすいものです。
 これから起こる未来のことでも、「絶対にうまくいく」と先に決めてしまい、実際の成功を想像すれば、想像上の成功体験であっても、脳は本物の成功体験として認識します。
 つまり、明日は「よい1日になる」と最初に決めてしまえば、実際にいい1日になる可能性が大きく高まるのです。

著者がこれまで出会った、いわゆる成功者と呼ばれている方、結果を出し続けている人たちは、夜だからできること、あえて夜にすることなどをそれぞれ持ち、夜の時間を上手に活用されてたという。

本書では、成功者と呼ばれる一流の人たちの夜の過ごし方を紹介している。

例えば、夜寝る前に必ず鏡を見るという人がいる。

ハーバード大学の研究で、「イライラした時に鏡を見ると精神が安定する」ことが証明されている。

これは、脳科学的にも立証されている。

まず鏡に向かって、今日頑張った自分に「ご苦労様」と声をかける。

次に、その日、よくなかったアクションについて振り返り、「次回はこうしよう」などと、改善案を考える。

感情的にならず、客観的に行う。

続いて、今度はよかったことを思い出す。

「お弁当がおいしかった」「電車がすいていて快適だった」、どんな些細なことでもかまわない。

そして、「今日は頑張ったね」とほめ、感謝する。

これで、終わり。

自分の頑張りをいちばん知っているのは、自分自身。

わかってくれている自分に心から感謝されることで、明日また頑張れる自分になる。

結果を出している人は、どんなに残念な日を送っても、絶対に翌日に引きずらない。

その日のマイナスはその日のうちに、必ずリセットするから。

一流の人たちは、感情をコントロールするのが素晴らしく上手。

結果を出し続けている人は、翌日のスケジュールを確認し、頭の中でシミュレーションしている。

それぞれの予定についてではなく、一日の流れを予習しておく。

先に潜在意識レベルで成功を体験し、想定外が起きる状況をなくしてしまう。

睡眠評価研究機構の代表、白川修一郎博士は、次のように言っている。

「脳は睡眠不足の影響が最も表れやすい器官であり、睡眠不足によって、記憶力や論理的思考力など、脳のあらゆる機能が低下する。疲れた脳から、素晴らしいひらめきは生まれない」

白川氏によると、脳は睡眠中、日中に仕入れた情報を取り出しやすい状態にインデックス化し、起きてからは良質な睡眠でしっかり改善された脳が、しっかり働き、整理した情報(記憶)に対し意外な結びつけを行うことで、斬新なアイデアが生まれやすくなるのだそう。

脳と心を毎晩、しっかり休ませることで、昼間に仕入れた情報を脳に定着でき、アイデアが出せるようになるというわけだ。 

世の中を動かすような偉大な発明や発見は、昼間研究室で根を詰めている時に湧いてくるのではなく、自分の体をリラックスした状態に解き放った後に、突然アイデアとして羽化したものが多いと、ある有名な科学者が以前、話していた。

脳科学者の茂木健一郎氏は、あるインタビューで脳を活性化させやすくする食べ物や飲み物、場所などについて尋ねられた時、「特にこれといったものはありませんが、自分の好きなモノ、場所がいいと思います」と答えられていた。

自分が心地よい環境で好きなものを食べながら出待ちをすることで脳が気持ちよくなってアイデアが生まれるのだ。

そして、意識して、個としての「自分」になる時間をつくる。

1日1回は「自分」になる。

米国のマクスウェル・マルツ博士の著書『サイコ・サイバネティクス』によれば、脳は実際の経験と、頭の中で鮮明に描いた想像上の経験を、区別するのは苦手だと言われている。

想像上の経験でも、実際の経験でも脳は同じような領域を使って情報処理を行うそうだ。

「明日はいい1日になる」

先に決めることで、脳はうまくいく明日のための準備を始める。 

先に感謝することで、「いい出会い」にしてしまうのだ。

人は何歳からでも間違いを正すことができ、何歳からでも挑戦することができる。

夜、どのような過ごし方をするのか?

脳の性質をうまく使えば、明日をコントロールすることが出来るということであろう。。

2021年1月16日 (土)

人類の選択/佐藤優

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 この危機に臨んで、私たちは2つのとりわけ重要な選択を迫られている。第1の選択は、全体主義的監視か、それとも国民の権利拡大か、というもの。第2の選択は、ナショナリズムに基づく孤立か、それともグローバルな団結か、というものだ。

昨年はコロナに始まりコロナで終わったといった感じだ。

そしてコロナ禍は今年も続く。

この危機を、国際的な連帯で乗り越えるのか、それとも国ごとに孤立することで対処するのか。

求められるのは独裁的な指導者なのか、それとも民主主義の原則を貫くべきなのか?

世界史とは、見えざる脅威である感染症に翻弄されながら、それを乗り越えてきた歴史でもある。

連帯か孤立か、独裁か自由民主主義か──。

これはポスト・コロナの時代において、私たち人類が強いられる究極の選択と言っていいだろう。

国家的孤立主義や行政権の強化が進行するなかで、私たちはどのような選択をするべきか、歴史的知見や現状分析を応用して考察しなければならない。

世界史を紐解くと、時代が大きく転換する時期には、必ずといっていいほど疫病や感染症の大流行が起こっている。

ペストしかり、スペイン風邪しかり。

だとすれば、私たちが直面しているコロナ・パンデミックもまた、時代の転換を促す契機になるかもしれない。

疫病が契機となって、旧来の勢力図が大きく変容することだけはたしかだろう。

疫病は、古代ギリシアの覇権国だったアテネ没落の引き金となった。

それと同じように、古代ローマ帝国の衰退にも疫病が大きく関係している。

黒死病の流行によって中世を支配していたローマ・カトリック教会の権威が低下した。

ルネサンスも宗教改革も、その背景には、黒死病の前で無力だったカトリック教会の権威低下があった。

現在、自由民主主義国家であるアメリカや英国よりも、全体主義的な国家である中国のほうが、コロナの封じ込めという点では成果を上げている。

ここでさらに、中国経済の立ち直りが早い場合、人びとの間に中国的な統治への賛同が高まる可能性がある。

ナチズムやスターリニズムが国内のみならず、国外からも一定の支持を得たのは、どちらも経済の回復に成功したからだ。

マクロに見れば、人類史は長い年月をかけて、グローバリゼーションすなわち「世界の一体化」を推進してきた。

それはまた、感染症の拡大規模が広がっていく歴史でもあった。 

冷戦が終わり、グローバル化が加速していった2000年代に入ると、SARS、MERS、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、エボラ出血熱という具合に、立て続けに感染症が人類を脅かしはじめた。

その延長に、今回の新型コロナウイルスがあると位置づけたとき、私たちはこれまでのように、グローバリゼーションを徹底する方向に進むべきなのか、それとも国家を閉じる方向に向かうべきなのだろうか。

新型コロナウイルスの感染が拡大する過程で、各国において国家機能が拡大し、民主主義的統制に服さなくなる危険性は高まっている。

外出できない状況が長引くと、必然的に人間の関心は内面に向かっていくようになる。

モサドの元幹部は、このように話していた。

「新型コロナ後の世界はほんとうの幸せとは何か人間の生死はどのように決まるのか人生の意味は何なのかというような、人間の内面に対する関心が深まるようになる。新自由主義が席巻するなかで軽視されていた哲学や宗教に対する関心が強まると思う」

「内面性重視の時代」というと、心の豊かさを求めていくベクトルが強まるように聞こえるかもしれない。

しかし同時に、内面性が暴走してしまうことの危険性も認識しなければならない。

孤立した状態で、自己の心をのぞきこみすぎると、魂がインフレーションを起こす。

そして、肥大した魂からはロマン主義的なナルシシズムや暴力が生まれてしまう。

この危機は「リスク以上、クライシス未満」という性格を帯びている。

リスクの閾値を超えているので、適切な処方箋を書くことができない。

他方、クライシスではないので、コロナ禍によって人類が滅亡することもない。

いずれにしても、今回のコロナを通して社会は大きく変わる。

どのように変わっていくのか、しっかりと見極めてゆきたい。

«読む本で、人生が変わる。/中谷彰宏