« モチベーション・リーダーシップ/小笹芳央 | トップページ | 「わからない」という方法/橋本治 »

2010年3月15日 (月)

クロネコヤマト顧客満足主義経営/淵澤進

Img701

岡田の商売熱心さとある種の鈍感さにはすさまじいものがある。同時に「倫理的正しさ」に反することを徹底して嫌う小倉の態度、これもすさまじいものがある。長いインタビューのなかで、この問題(岡田三越との決別問題)に触れたのは30分ほどである。その間に小倉は「人間として許せない」という言葉を3回繰り返した。

宅急便の根底に流れているのは、この義憤だ。権力を笠に着て私利私欲へ走ることに対する憤りが、一民間企業によるユニバーサルサービスの実現という快挙をなさしめたといっていい。(P173)

「岡田茂の三越」は1978年に独禁法違反容疑で公取委による立ち入り検査を受けたのを皮切りに、1979年2月には、「ニセ・グッチ」事件、1982年には「古代ペルシャ秘宝展」偽物事件を引き起こすなど、次第に、ずさんな経営実態を暴かれていく。そしてついに1982年9月22日に開かれた定例取締役会で、岡田社長の解任が16対0で決定される。

ヤマト運輸が当時大口顧客であった「岡田茂の三越」と決別宣言を行ったのが、岡田社長解任より3年半前であることに注目したい。

これは先見性があったいうより、むしろ当時の小倉社長の「正しさ」に対する愚直なまでの姿勢がそのような決断を可能にしたと見るべきだろう。

現代は「先の見えない時代」とよく言われる。

どんなに詳細に環境分析をしてもそれで正しい方向性が示されるほど甘くない。

では、このような時代で何を基準に進むべき道を決めればよいのか?

それは「正しさ」ではないだろうか。

« モチベーション・リーダーシップ/小笹芳央 | トップページ | 「わからない」という方法/橋本治 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クロネコヤマト顧客満足主義経営/淵澤進:

« モチベーション・リーダーシップ/小笹芳央 | トップページ | 「わからない」という方法/橋本治 »