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2010年4月29日 (木)

個人主義とは何か/西尾幹二

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おそらく日本には、西洋とも韓国ともまったく異なった個人の強さがあるのではないだろうか。日本の個人のあり方は韓国のように密着的でもなければ、ヨーロッパのように攻撃的でもない。人と人とがほどよい距離と快い安定感を保ちながら、同時に暗黙のうちに心を通わせている。そのようなかかわりが、日本なりの個の存在様式として存在するように思えてならない。

日本人は自分を出さず、他人と距離を保って控えめにする性格が確かに強い。国際政治においてはそんな姿勢ばかりでは困るのであるが、われわれ日本人の社会においては、日本的な人間関係をネガティブにだけ考えることはできない。むしろそこにある種の積極性を認める必要があるのではないか。善し悪しの問題ではなく、日本人の特性、「特性なき特性」とでもいうべきものの伝統が存在するのであって、自分がないというよりはむしろ我を抑制するもっと力強い我があるのではないだろうか。(P235)

日本人は個が弱いのではなく、欧米とは違った個の強さがある。つまり我を抑制するもっと力強い我があると著者は言う。

確かに自分の出し方は、国によって違う。

その国の歴史的背景や文化や価値観等によって違ってくる。

そして日本には日本独特の美意識というものがある。

例えば、小津映画を見ると「抑制の美学」とでもいうべきものを感じ取ることができる。

小津映画の登場人物は感情がないのではなく、極端に感情を押し殺した演技をする。

そしてその中に、登場人物の感情の抑揚を感じ取ることができる。

「日本人の中には我を抑制するもっと力強い我がある」というのは、面白い見方だ。

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