物語力/グレイグ・ワートマン
ハリウッドで脚本の書き方を教えているロバート・マッキーはハーバード・ビジネス・レビュー誌の記事の中で、「究極の説得、それは『感情を入れて意見をまとめる』ことです。心に訴えるようなストーリーを伝えることがいちばんだといえます」と書いています。
ビジネスの世界で私の出会った、リーダーと言われる人たちの素晴らしい点は、戦略的にではなく、無意識に感情を込めてストーリーを語っているということです。数字や記号だけでは相手の態度や信念は変えられないということをよく理解しているのです。(P38)
「感情を入れて意見をまとめる」とはどういうことか。
わかっていることは、理詰めだけでは人は動かないということだ。
現代人には、メールや携帯電話、ブログ、ツイッター等、コミュニケーションのためのツールは数多く与えられている。
では、現代人がコミュニケーションをうまくできるようになったのかというと、むしろ逆。
メール一つをとってみても、メールを使うことによって、むしろコミュニケーションがうまくいかなくなっているという現実がある。
それは、感情によって人は動くものだという視点が欠けているからだろう。
メールでは感情はうまく伝わらない。
感情を相手に伝えるには、対面が基本である。
相手と対面して初めて、感情が相手に伝わり、それが影響力となる。
そして対面して、語る内容も重要だ。
頭だけでなく、感情に訴えかけるには、物語力が必要だ。
相手の頭の中に、何らかの映像が映し出されたとき、初めて相手はアクションを起こすのである。
« 「距離感」が人を動かす/大塚英樹 | トップページ | プロの論理力/荒井裕樹 »
コメント