いじめを粉砕する九の鉄則/谷沢永一
民族がらみの劣等感、国を挙げての劣等感、それも神話時代から二一世紀まで、ほとんど絶えることなく大河のごとくとうとうと流れてやまぬ筋金入りの劣等感、この心性は世界中で日本においてのみしかみられない。
しかし、日本人の劣等感のみは格別である。異例である。品質の組成に栄養素がかくされている。マイナスのはずの劣等感が、必ずプラスに転化する。われ劣れり、ゆえに、われ立たん。劣れり、ゆえに、われ行かん。劣等感の自覚がただちにたちまち、前向きの積極的行動の駆り立てるバネとなる。(P183)
日本人のDNAの中には劣等感が組み込まれているということを著者は言う。
確かに、明治維新以降の日本人の経済成長を支えたのは、国民的劣等感であったように感じる。
日本人は劣等感をバネにし、それをエネルギーにしてがんばってきた。
著者はそれを「自動発火装置」だと言っている。
日本人は生まれながらにして、体内に自動発火装置を持っているというのである。
しかし、近年、どうもこの自動発火装置が狂ってきているように感じるのは私の思い過ごしだろうか。
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