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2010年5月 4日 (火)

高度成長/武田晴人

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世界がドルと石油の大きな嵐に翻弄されているなかで、日本はいつのまにか先進工業国の先頭グループにいると見られるようになった。先頭グループというだけではなく、ナンバーワンだと言われた。このような評価が生まれたのは、70年代にスタグフレーションに沈み込んだ先進工業国の中で、日本が最も早くに経済成長の軌道へ戻ることに成功し、物価の安定を果たし、その産業の強い国際競争力によって、世界市場での存在感を増したからであった。それが貿易摩擦を生んだが、そのような力強さが、国際的に注目され、日本経済の強さの秘密が問題とされた。無駄を省き、柔軟な多品種大量生産を実現したトヨタ生産方式などの優れた生産方式が称賛されただけでなく、それまでは遅れた労働慣行とみられていた企業別組合、終身雇用、年功賃金などの制度も重要な要素と評価されるようになった。「カイゼン」や「ケイレツ」は「カラオケ」などとともに国際的に通用する日本語となった。

日本人にとって面はゆいこの評価に、いつのまにか、日本人の感覚も変わっていった。マスコミも、経済評論家たちも、示し合わせたかのように「先進国のなかでの優等生日本」を称賛する論調で話し始めた。

そして、強い日本企業の経営を任されている人たちのなかに、おごりが生じた。(P238)

高度成長期のことを振り返ってみると、それは成功と失敗の繰り返しであり、人間とは何と愚かな存在なのだろうと思わずにはいられない。

そして人間は過去の成功体験からなかなか抜けられないものだ。

一度成功体験を味わってしまうと、「夢よもう一度」とそれを追い求めてしまいがちだ。

しかし、大事なことは自分の立ち位置を正しく認識することだ。

「おごり」、これが一番危険だ。

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