「はげまし」の経営学/金井壽宏
ベイリンは、任せ方に問題のある多くのケースは、戦略的自律性を求めている人に戦術的自律性を与えているミスマッチ、逆に戦術的自律性を望む人に戦略的自律性を授けてしまっているミスマッチで説明できるのではないかと主張する。(P70)
前者は、テーマは自分のやりたいことを選びたいのだが、そのテーマにどのようなアプローチをするのかは、きちんと指示してほしい、教えてほしいと思う人に「やり方はお前に任せたが、とにかくこのテーマでやってみて」といって任せてしまうミスマッチ。
後者は、どんなテーマでも器用にこなす自信があるから、テーマは上から決められてもいいと思っているが、そのテーマへのアプローチの仕方は自分に任せてほしいと願う人に、「テーマの選択は任せた、ただし方法はこれを使って」と言って任せてしまうミスマッチである。
両者ともよくある話だが、問題は、部下のタイプに関係なく、なんでもワンパターンで仕事を部下に任せてしまう管理者があまりにも多いことではないだろうか。
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