行動力力/大橋禅太郎
アメリカでパイロットの免許を取っていたときの話。
着陸前、僕の飛行機を誘導する管制官が「2マイル先の左前方にいる飛行機を見つけろ。そしてその後に続け」と言った。
教官が横に乗っている。だが、目標を見つけるのは生徒である僕の役目だ。
相手は小型飛行機ということもあり、管制官に言われた方向に目を凝らすが、なかなか見つけることができない。
「オフセットビューイング、習ったか?」と教官が言う。
「ん、オフセットビューイング?直視しない見方?なにそれ?」
教官は肩をすくめて見せた。
「空の中の小さな1点は、まっすぐに見るとなかなかみつけられない」
僕はあいまいにうなずきながら「じゃあ、どうすればいい?」。
「横目で見るんだ」
ある方向を見ても見つからない。そんなときに、視点をわざと別のところにずらすと見つかりやすくなる、という考え方だ。(P138)
オフセットビューイング、面白い考え方だ。
しかし、ある意味、発想が行き詰まったとき、効果的な方法だと思う。
一つのことを考え続けることは大事なことだが、そればかりやっていると、新しい発想が中々でてこないという状態に陥ってしまうということはよくある。
そんなとき、少し視点を変えてみる。
あるいは、違ったことをやってみる。
そうすると、新しい発想が生まれてくることはよく体験することだ。
新しい発想を生み出すために、一日の中で、オフセットする状態を意識的に組み入れてみるのも大事なことだと思う。
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