« リーダーは半歩前を歩け/姜尚中 | トップページ | 心のなかの幸福のバケツ/トム・ラス&ドナルド・O・クリフトン »

2010年6月23日 (水)

人間の覚悟/五木寛之

Img388

「覚悟」という言葉はもともと仏教用語で、辞書には「迷いを去り、道理をさとること」とあります。他に、「危険や困難を予想して、その心構えをすること」、そして「あきらめること、観念すること」があります。

冒頭でふれたように、あきらめる、という言葉は私の意見では、「明らかに究める」こと。物事をはっきりと究め、現実はこうなのだと覚悟することでしょう。

言いかえれば、世の中のあらゆることは流転する。人間は老いて死んでいく。そのことを、逃げずに真正面から見つめることです。世間は「あきらめない」ことを賞賛しますが、「あきらめる」は決して弱々しい受け身の姿勢ではなく、正しい覚悟を決める上では不可欠なのだと思います。(P22)

あきらめるとは「明らかに究めること」。物事をはっきりと究め、現実はこうなのだと覚悟すること。

このように考えると、あきらめることも大切なことだと感じる。

世の中には自分の力ではどうしようもないことがある。そしてその現実を受け入れることは大事なことだ。

人間は死から逃れることはできない。自分の生まれる時代も国籍も、またどんな親から生まれるかも選ぶことはできない。

そして、私たちの人生は、そのようなどうしようもない現実に多くの部分を支配される。

大事なことは、そのことをしっかりと受け容れることだ。

世の中、そのことができない人が多いのではないだろうか。

現実を受け入れられず、現実を嘆いたり、ある時には現実を恨んだり、場合によっては自暴自棄に陥る人すらいる。

それは「あきらめる」、つまり「明らかに究める」ことができていないのだろう。

あきらめることは決して悪いことではない。

むしろ、あきらめることから、自分の進むべき方向性や、やるべきことが見えてくるのではないだろうか。

« リーダーは半歩前を歩け/姜尚中 | トップページ | 心のなかの幸福のバケツ/トム・ラス&ドナルド・O・クリフトン »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人間の覚悟/五木寛之:

« リーダーは半歩前を歩け/姜尚中 | トップページ | 心のなかの幸福のバケツ/トム・ラス&ドナルド・O・クリフトン »