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2010年6月 2日 (水)

キャノンとカネボウ/横田好太郎

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カネボウ社内では、江戸時代の階級制度であった「士農工商」のたとえがありました。「士」は経営幹部と彼らを支える社内官僚たちです。「農」は工場で働く女子工員や現場の人たち。「工」は技術者です。そして最下位が「商」で、営業やセールスマンの人たちです。

キャノンでは入社以来、「士農工商」という表現は一回も聞いたことがありませんが、これを無理に当てはめてみると、「工農士」という順番になるように思います。「商」は「キャノン販売」という別会社になるので序列化できず、いわば序列から横に飛び出した存在です。キャノンの「工」と「農」は、一体化して生産効率を上げるよう努力しています。「士」は早朝から朝会を開いて、如何に会社の業績向上を図るかを検討し、黒子に徹しています。

これらの優先順位の意識を決めているのが、経営者です。カネボウの「士」の過大優遇は、結果的に会社を倒産にまで追い込みました。「工農」優遇はメーカーとしてのキャノンを大きく成長させました。どちらがメーカーの経営者として資質があったのかは明白です。(P186)

戦前、日本最大の民間複合企業として君臨し、その後凋落していったカネボウと、町工場から出発して日本を代表する企業に成長したキャノン。

その違いは様々あるだろうが、その一つが、社内の階級制度というものだと著者は言う。

社内に序列があるのが悪いわけではない。

社員の中には、当然のことながら、貢献度の高い者も低い者もいる。

その貢献度がそのまま社内の序列になっているのであれば、そしてそれが固定化するのでなく、流動的なものであれば、それはそれでよい。

問題は、その序列が固定化し、身分制度のようになってしまうことである。

こうなってしまうと、組織の活力は失われ、社員はやる気を失ってしまう。

そして、いまだに身分制度のような社内序列が残っている企業が多いのが現実なのではないだろうか。

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