「わかる」技術/畑村洋太郎
ある事象を見たとき、その事象の要素と構造が自分の頭の中にテンプレートと一致した瞬間に、人はそのことを「わかった」と感じるようになります。
さらに、完全に一致するテンプレートを持っていない場合でも、頭の中に持っている似たような要素や構造を加工して新しいテンプレートをつくり、それと合致させることで同じようにそのことを「わかった」と感じることができます。(P84)
「わかった」という現象は、掘り下げてみると、頭の中にあるテンプレートと一致させること、或いは、完全に一致するテンプレートを持っていない場合は、頭の中に持っている似たような要素や構造を加工して新しいテンプレートをつくり合致させること、ということ。
「なるほど」と、思わず納得してしまった。
確かに、新しい何かを体験して、「わかった」と思う瞬間は、上記のような現象が自分の頭の中で起こっている。
問題は、その自分がわかったことを相手に伝える場合であろう。
当然のことながら、相手の持っているテンプレートは自分の持っているテンプレートと違うはずである。
と、すると、自分のわかったことを、再び言語化するときに、一工夫が必要ということ。
その前に相手の中にどのようなテンプレートがあるのか、まずそのことを把握することが重要だということだ。
考えてみると、相手に説明して、わからせるという行為そのものが、非常に難易度の高いものだということである。
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