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2010年7月10日 (土)

大前研一 戦略論/大前研一

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「金槌しか持っていなければ、すべてが釘に見えてしまう」という諺がある。あなたの会社の経営陣は、多様で幅広い選択肢を与えてくれる「道具箱」を持っていると考えて行動しているだろうか。

有名なミシンメーカーであるブラザー工業は、需要が下降するミシンという縮小市場において、新製品を作り続けることが唯一の方法かどうかを検討した。そして、他の選択肢も検討すべきであるという結論を導き出した。

とにかく、コア事業と顧客ニーズを考えな直さなければならない。自社の競争優位は、縫うことだけでもなければ縫うこと以外でもない。オペレーターが手で繰り返し動かして操作する小型精密機械に応用されるマイクロ・エレクトロニクス技術について、当社はよく理解している。

その結果、ブラザーは電子タイプライターやワードプロセッサーの製造メーカーへと転進を図り、みごと成功を収めたのである。(P192)

この当時、ブラザーと並ぶミシンメーカーだったリッカーは、ミシンを中心にプランニングを続けた。

市場の変化には目もくれず、ミシンの品質改善ばかりに力を尽くした。

その結果、リッカーは倒産した。

現代ほど経営者の決断が会社の将来を左右する時代はない。

大量生産、大量消費の高度成長期は、経営者は事業戦略についてそれほど考える必要はなかった。

顧客ニーズは分かりきっていた。後は、同じ製品をより安く大量に作れば、それによって企業は成長できた。

ところが、顧客ニーズの変化の激しい今日では、その変化に適応できるかどうかが企業の存続を決める。

しかし、日本の経営者は、変化を嫌う。

特に私が普段接している中小企業の経営者はそうだ。

いつまでも過去の成功体験に固執してしまい、変化しようとしない。

そして業績が悪いのは国のせいだと考える。

国の援助ばかりを求める。

この姿勢は明らかに間違っている。

今や、自ら変化し続けない限り、企業の存続発展はあり得ない。

その意味で、企業とは「環境適応業」と言えるだろう。

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