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2010年7月22日 (木)

危機の宰相/沢木耕太郎

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比喩的にいえば、「安保」と「オリンピック」という点と点とを結んだのが「東海道新幹線」だった。池田勇人の時代は、「夢の超特急」の「夢」が「現実」化される時期にぴったりと重なり合う。

当時「夢の超特急」は単に夢のようなスピードで走るというばかりでなく、経済効率的にまったくナンセンスな夢物語と考えられていた。航空機需要の爆発的な伸びに押され、世界的な鉄道斜陽化の趨勢の中で、これほどの大金を投じるのは愚行以外の何物でもないと批難された。交通論を専門とする東京大学教授の今野源八郎は、 どんなものでも消える前には超デラックス版を作りたがるものだと皮肉り、また、万里の長城や戦艦大和と並ぶ世界三大愚行とまで酷評するむきもあった。しかし、オリンピック開会式の直前に開業するや、航空業界を震撼させるほどの営業成績を収めるようになる。

池田の「所得倍増」は当初「夢の超特急」と同じように冷笑された。だが、「夢の超特急」がただの「新幹線」と呼ばれるほど一般化したように、「所得倍増」も「高度成長」が常態と受け取られる状況の中に、十年を待たずして風化していった。(P234~235)

池田内閣は1960年から1964年までだが、その時代の象徴するのが「安保」「東京オリンピック」「東海道新幹線」「所得倍増計画」である。

当時を振り返ると、「何もなかったけど夢があった」時代だったと言える。

そして「夢」を現実化させようとするエネルギーが日本全体を覆っていた。

今はどうだろう?

「何でもあるが夢がない」時代ではないだろうか。

60年代に比べればはるかに豊かな生活をしているにもかかわらず、多くの人は、未来に夢を描くことができなくなっている。

そこから今の日本に必要なものが見えてくる。

今の日本に必要なもの、それは「夢」であり「ビジョン」ではないだろうか。

国家も企業も個人も、大切なものは「夢」や「ビジョン」である。

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