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2010年9月29日 (水)

関係する女 所有する男/斎藤環

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「所有原理」と「関係原理」は、認識に対しても大きく影響を及ぼす。

たとえば空間把握力について考えてみよう。この能力は、ひろく概念操作能力として理解できる。さらに言えば、これは視覚イメージを頭の中で操作する能力だ。対象を視覚化すること、またそのイメージを操作すること、いずれも「所有」に慣れた男性にとってはお手のものである。いっぽう関係性を切り離しての概念操作は、女性にとってはかなり不得手な領域だ。

この空間把握については、興味深い実験がある。目的地に辿り着くのに、地図の描き方によっては、女性の方が男性よりも良い成績を収めたというのだ。

簡単に言えば、距離と方角が示された地図を読むのは男のほうが得意だが、「眠れる少年像のところで左に曲がれ」といったように、目印を手がかりとした地図を読むのは女のほうが得意なのだ。この本では、あくまで「脳」の視点からこの違いを説明していたが、所有は関係という視点から捉えるほうが説明が簡単だ。

さきほども述べたとおり、距離は方角といった空間把握は、概念操作のひとつだから、男性の「所有」原理になじみがいい。一方女性は、そのつど出くわした目標物と自分の位置との「関係」をリアルタイムで把握しながら進むほうが得意なのだ。(P233~234)

男性と女性の違い、これは日常の中で日々実感させられている。

特に男の私からみると、女性の行動はいまだに理解できないことが多い。

しかし、この女性は目的物と自分の位置との「関係」をリアルタイムで把握しながら進む、という記述は、「なるほど」と思わされた。

確かに男性は対象物と自分との関係性ということより、できる限り客観的に全体像を見ながら、一度自分の中で概念化し、自分の進むべき方向を決めようとする傾向がある。

しかし、女性は対象物と自分との位置の関係を絶えず把握しながら、物事を判断し行動する。

この違いは、理解しようとしない方がよいのかも知れない。

むしろ、「違いを認める」ことを出発点にしないと、いけないのだろう。

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