« 「一人がこわい」の心理学/町沢静夫 | トップページ | “超現場主義”のすすめ/上野和夫 »

2010年10月30日 (土)

渋沢栄一『論語と算盤』が教える人生繁栄の道/渡部昇一

Img046

 いかなる仕事をするときも趣味を持たなくてはいけない、と渋沢はいいます。この趣味とは、仕事の他に何か楽しみを持つという意味ではありません。心の底から自分の仕事を好きになり、「この仕事はこうしてみたい」「こうすればこうなるだろう」というように、理想や欲望を加えていくことをいっています。
 これはまさに「論語」雍也篇にある
 「之を知る者は之を好む者に如かず、之を好む者は之を楽しむ者に如かず」
 という孔子の言葉と同じです。
 仕事でも勉強でもよく知っているのはいいことだが、それが好きだというのには及ばない。好きであるのはいいのだが、それを楽しむのには及ばないつまり、仕事でも勉強でも楽しむ境地にまで達すれば本物で、これが趣味の極致なのです。仕事であれば、それを楽しむ境地に至れば一流の経営者となり得るでしょう。(P152)

 

いかなる仕事をするときも趣味を持たなくてはいけない。

この言葉を、そのまま受け止めるならば、「仕事以外に趣味を持ちなさい」という意味になる。

ところが、そうではなく、本当の意味は、仕事を好きだけでなく仕事を楽しむようになれば本物だということ。

仕事を楽しむ、この感覚が持てるようになることが一流になる秘訣だということ。

一代で500もの会社を創ってきた、渋沢栄一だからこそ言える言葉だろう。

そして、おそらく渋沢氏は、本当に仕事を楽しんでいたのだろう。

楽しむということは、楽をするということではない。

スポーツの世界でも、楽しさというものは、とことんまで勝ちにこだわり、ギリギリの勝負をしているときに、味わうものである。

楽しむとはこういうことだ。

同様に、仕事を楽しむということは、仕事をいい加減にやるとか、仕事でどんな成果を出すのかということは無視して良いということではない。

そうではなく、とことん成果にこだわり、仕事に打ち込みのめり込む。

このような状態が「楽しむ」ということではないだろうか。

そう考えると、仕事を楽しんでいる人は、どのくらいいるのだろう、と考えさせられる。

« 「一人がこわい」の心理学/町沢静夫 | トップページ | “超現場主義”のすすめ/上野和夫 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 渋沢栄一『論語と算盤』が教える人生繁栄の道/渡部昇一:

« 「一人がこわい」の心理学/町沢静夫 | トップページ | “超現場主義”のすすめ/上野和夫 »