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2010年10月29日 (金)

「一人がこわい」の心理学/町沢静夫

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 昨今、私どもの外来には多くの若い女性たちがやってきます。そんな中、ふと気づいたのは、結婚もしていないのに男性といっしょに来る女性が増えているということです。付き添いの男性は、診察室にも平然といっしょに入ってきて、私に何のあいさつもなく、自己紹介もせず、ただ彼女の後ろに影のように座って、彼女が言うことを聞いているのです。
 しかも、彼女の訴えというのは、こうです。
 「いつも彼が自分のそぱにいてくれないとさびしいし、つらい。彼がちやんと自分のマンションに帰ってきてくれるのだろうかと思うと、いつも不安で耐えられないのです」
 もう二三、二四歳になるこの年齢で、「彼が帰ってくるかどうか不安で不安で」というのは、さすがに私も頭を抱える問題で、苦笑いをせざるをえません。
 また、彼や彼女と連れだっていない場合は、親が必ず付いてくる。親は、患者本人が四〇歳になっても付いてきます。
 このような風景を、私はアメリカでは一度も見たことがありません。自分の問題は親にも友達にも頼らず自分で解決しようとする意気込みが、日本人にはいささか欠けていると言わざるをえません。(P13~14)

企業が求める人材像としてよく出されるのが、「自立(律)した社員」というのがある。

自分で考え行動し結果を出せる社員という意味だが、

では、そのような人材を送り出す家庭や学校では、どんな人が育ってきているのか、

この点を、よくよく考えるべきだ。

町沢氏によると、一人では何もできない人が増えているという。

これは、自立どころの話ではなく、もっと低次元の話である。

そして日本社会全体の問題である。

こう考えてくると、一個人、一企業の取組みではどうにもならない、問題の根の深さに気づかされる。

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