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2010年11月21日 (日)

実践 孫子の兵法/村山孚

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 孫子日く、およそ衆を治むること寡を治むるが如くなるは分数これなり。
 衆を闘わすこと寡を闘わす如くなるは形名これなり。

[訳]
孫子はいう。多くの人間を管理する場合、さながら小人数を管理するように徹底させるには、これをいくつかの集団に区分することである(組織化)。
 多くの兵士を戦わせる場合、小人数と同じようにうまくまとめるには合図の信号を使うことである(命令伝達方法)。

[解説]
 ニ千五百年も前に、管理の基本が組織と伝達にあるという原則を説き明かしたのはおどろくべきものである。職場におけるビューロクラシーとコミュニケーションの目的が簡単なことばでえぐりだされている。
 この一節は、本来軍形編の中に入るべきものと思われるが、勢いをつける基礎としての意昧を強調し、次の句にたたみこんでゆくため、兵勢篇の冒頭に記しているのである。
 三方ケ原の合戦でみせた武田信玄軍の戦いぶりが、きわめて見事で、徳川軍を三嘆させたのは、編成と伝達の妙であった。
 だいたい、信玄のほうでは徳川軍など問題にしていなかったのだが、徳川軍が武田軍の行軍隊形へ攻めかけていくと、信玄の采配一閃、たちまち戦闘隊形になり、諸隊整々として一糸みだれず、迅速でしかも各隊との連携は行きとどいており、目のさめるような有様だった。攻めかけた徳川軍も、しばし我を忘れて見とれてしまったという。(P132~133)

短いことばの中に、マネジメントの基本が記されている。

つまり、マネジメントのためには組織化と伝達が必須であるということ。

特に、少人数に細分化するということが組織の基本である、ということは大事だ。

一時、組織のフラット化ということがさけばれ、多くの企業で取り入れられた時期があった。

その結果、縦横のコミュニケーションや人材育成機能が働かなくなり、結局もとに戻した企業が多くある。

これなどは、孫子の「およそ衆を治むること寡を治むるが如くなるは分数これなり」ということばをよく理解していれば、そんな過ちは犯さなかったのではと思う。

この孫子の兵法が書かれたのは、今から2千5百年前だという。

時代が変わり、現代ではITというツールもあるが、組織の基本は意外と変わっていないということだろう。

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