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2010年11月28日 (日)

強欲資本主義ウォール街の自爆/神谷秀樹

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 ゴールドマンの不動産部には、当初3人のパートナーが居た。その一人にクロード・バラードが居た。彼はこの道のベテランだったが、極めて保守的な人物でもあった。1988年のことだ。彼が引退することになり、いろいろとお世話になったお礼の挨拶をしようと会った際に、こんなことを言っていた。
 「君は、いまこの会社のバランス・シートが何に使われているか知っているか。ありとあらゆるものに相場を張っている。コーヒー豆だ、金だ、金利スワップだ、先物だと、あらゆるものでギャンブルしている。私のような年寄りには、いったい何をやっているのかサッパリわからない。それなのに、そこにパートナーとして私の財産を全て突っ込んでいるのだから、おっかなくて仕方ない。大火傷をしないうちに、私は引退させてもらおうと思ったんだ」
 クロードはもう少しゴールドマンに残っていれば、会社の株式公開でもっと大きな財産を手に入れることができだだろう。しかし、既にその当時でさえ会社は、無限責任を負うゼネラル・パートナーの立場では、「怖くて仕方ない」というほどに大きなリスクを取っていたということである。(P38~39)

1988年当時、ゴールドマンサックのパートナーであった一人は、

「おっかなくて仕方ない」と語っていたという。

それから20年後、リーマンショックが起こった。

世界経済は、いまだにその後遺症に悩まされている。

考えてみると、「起こるべくして起こった」と言えなくもない。

誰もか「やがてはこんなことが起こるのではないか」と感じていたのではないかと思う。

ところが、誰もストップをかけなかった。

どうしてなのだろう?

ひとつ考えられることは、

「何のための『成長』なのか」、

「何をもって『成長』と考えるのか」といった

基本的な議論が十分になされないままに、

数値目標を追いかけたからではないだろうかということである。

その結果、より強欲な者に富を集中させ、

お金以外の価値あるものがないがしろにされ、

社会全体としては格差が拡大し、

決して幸福とは言えない状況を生み出している。

「成長」とはいったい何を目標とするものなのだろうか?

この基本的なことをもっと考えてみるべきだろう。

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