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2010年11月30日 (火)

日本人へ リーダー編/塩野七生

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 今の私の日々は『ローマ人の物語』の12巻目の執筆に費やされている。歴史上では「3世紀の危機」と言っただけで通用する、3世紀のローマ帝国を襲った未曽有の危機を書いている。
 同時代に留まらず後代まで深大な影響を与えた大帝国ローマが遭遇した危機だけに、原因も一つや二つではすまない。それらをいちいち解明していくので頭が痛いのだが、ここではそのうちの一つだけを取り上げてみたい。なぜなら、その一つとは、書いている私が「これはダメだ!」と思わず叫んでしまったことだからである。
 ローマ帝国も3世紀に入ると、政策の継続性が失われたのである。具体的に言えば、皇帝がやたらと変わるようになった。その1世紀前は五賢帝の時代でローマが最も安定し繁栄を謳歌していた世紀だが、賢帝たちの在位期間は平均して20年、それが3世紀に入ると、平均しても4年になる。蛮族が来襲してこないというような幸運に恵まれたりすると、才能のない皇帝でも安泰でいられたから、3世紀ローマの皇帝たちの実質在位期間は、一人につき2年と考えてよいと思っている。
 危機の打開に妙薬はない。ということは、人を代えたとしても目ざましい効果は期待できないということである。やらねばならないことはわかっているのだから、当事者が誰になろうと、それをやり続けるしかないのだ。「やる」ことよりも「やりつづける」ことのほうが重要である。
 なぜなら、政策は継続して行われないと、それは他の面での力の無駄遣いにつながり、おかげで危機はなお一層深刻化する、ということになってしまう。失われた十年というが、あれは、持てる力を無駄遣いした十年、であったのだ。(P36~37)

危機の打開に妙薬はない、

「やる」よりも「やりつづける」ことの方が重要、

ローマ帝国の「3世紀の危機」を振り返って、著者はこのように言う。

これはそのまま今の日本に当てはまる。

「やりつづける」ことの重要性、これがわかっていない人があまりにも多いのではないだろうか。

これは政治の世界だけではない。

企業においても、個人においても同じことが言える。

やり始めたら、やりつづけることである。

「結果がでるまでやりつづける」、

この愚直さが、他社または他者との差別化を生む。

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