« 企画力/田坂広志 | トップページ | 限りないダントツ経営への挑戦/坂根正弘 »

2010年11月 5日 (金)

『坂の上の雲』に学ぶ中小企業経営力/臼杵昌美

Img175

 企業の活動においては、「専門家」がいたるところに存在する。
 技術者、職人から始まり、マーケティングの専門家、人事の専門家、財務・経理の専門家、そして外部支援役として、弁護士・会計士・税理士・司法書士・社会保険労務士・建築士・弁理士等々、数えあげればきりのないくらい専門家と言われる人たちか何らかの形でかかわっている。
 旅順要塞め攻防においては、その専門家の扱いがうまくいかず、大量の損害を出している。
 同様の戦法が繰り返しおこなれ、被害かつのるだけで旅願要塞がなかなか陥ちない。
満州軍指令部はもとより、大本営も不満を募らせていた。最終的には、その陥落までには191日、6万人の死傷のうち、6200人の死者を出した。
 その状況を見かねた、満州軍司令部の参謀長の児玉源太郎は、司令長官の大山巌の了解を得て、同じ長州の出身である旅順司令長官の乃木希典の指揮権を一時借用する。
 要塞を破壊するには、203高地に集中して、大口径の砲弾を近くから大量にぶち込むという単純な、攻撃形態が乃木司今部では取られていなかった。
 児玉はこのシンプルな理屈に基づき、24時間以内に重砲を火石嶺付近から、高崎山に陣地を変換(半分以下の射程に接近する)し、連続砲撃を指示する.専門家達は、移動はそのような短時間ではできない、連続攻撃で味方を撃ってしまう可能性がある、といって児玉の非常識な指示に反発するものの、児玉は押しきり実行させる。
 その結栗、信じられない話であるが、半年以上もかかっていた攻撃か、203高地の西南角を1時間20分で占領し、さらにその東北角をわずか30分で占領することができたのであった。
 児玉は、(乃木は、専門家に呑まれちょったんじや……)と、解釈している。(136~137)

専門馬鹿という言葉がある。

自らの専門性や過去の経験・知識にこだわり過ぎるあまり、周りが見えなくなり、判断を誤ってしまうことがよくある。

変化の速い現代においては、過去の成功体験がどんどん陳腐化してしまうという現象がおこっている。

むしろ、このような時代において、勝ち残っている企業は、これまでの常識という殻をどんどん打ち破ってきている企業である。

専門知識や技能を持つことが悪いのではない。

専門知識を持った上で、それに捕らわれない自由な発想のできる人が、今、求められているのであろう。

« 企画力/田坂広志 | トップページ | 限りないダントツ経営への挑戦/坂根正弘 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『坂の上の雲』に学ぶ中小企業経営力/臼杵昌美:

« 企画力/田坂広志 | トップページ | 限りないダントツ経営への挑戦/坂根正弘 »