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2010年12月 6日 (月)

宮大工の人育て/菊池恭二

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 大事になるのは、「木の癖」を読み、上手に組み合わせて使うことです。これをうまくやらないと、年輪に見合うだけの長命を御用材に吹き込むことができません。
 木というのは、山の南側、北側、谷、峰など育つ場所によって、同じ種類の木でも成長や材質に違いがでてきます。生育環境の違いによって、右にねじれたり左にねじれたり、節が多かったり少なかったり柔らかかったり、硬かったりと、それぞれに異なった特性を持つようになります。山の木は一本一本みな違います。これを「木癖」と言います。
 宮大工の大切な仕事の一つに、その癖を見極め、建物のどの部分にどう使うか決めていくことがあります。温度や湿度の変化よって木は曲がったり割れたりします。木は「暴れる」のです。
 木癖を無視して、たとえば、右にねじれる木ばかりを組み合わせたりすれば、建物は右にねじれてしまいます。これを防ぐには右にねじれる木と左にねじれる木をうまく具合に組み合わせて、ねじれの力を相殺してやる必要があります。
 木癖を読み切り、適材を適所にあてがうことで、建物の歪みを防ぐとともに、長年用の風雪に耐え得る堅牢な社寺建築を実現するわけです。それが宮大工の「技」です。
 これは「人」を育て、使うことにも通じます。木がそうであるように、人もまた一人として同じ者はおりません。(P4~5)

宮大工の仕事とは、木の癖を見極め、それを使って社寺を建てること。

それはそのまま、人を育てることにも通じる。

人は一人として同じ人間はいない。

問題は、そのような人を、ちょうど宮大工が癖のある木を組み合わせて社寺を建築するように、組み合わせて組織を形成し、人を活かしつつ、組織を目的を達成することである。

人にはそれぞれ癖がある、しかし癖のある木を組み合わせることによって、強い社寺が建築できるように、癖のある人を組み合わせることによって、強い組織を作ることができる。

人の癖を積極的に活用するような組織作りが必要だ。

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