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2010年12月 1日 (水)

非モテ!/三浦展

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 高名なジャーナリスト大宅壮一も「男の顔は履歴書である。男は40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」と言ったそうだ。男は、それまでの人生の中でとんな経験をしてきたか、どんな責任ある仕事をしてきたかが顔に表れるという意味であろう。「じゃあ、女はどうなのか」と聞かれて大宅は「女の顔は請求書である」というオチをつけたという説もあるが真偽のほどは定かではない。
 それはともかく、大宅の言葉には暗に、男の魅力は顔の美醜ではなく、仕事を通じて形成されてきた人間的魅力であるという意味が含まれている。(P35~36)

大宅壮一がこのことばを語ったとされる時代は昭和40年代、高度成長期である。

その時代は、誰もが一つの仕事を続けていけば、人間的魅力を身につけ、それが顔にも表れるようになると、多くの人が信じていた時代だとも言える。

では、現代はどうであろうか。

一生を一つの会社で過ごすサラリーマンは、年々減少傾向にある。

一つの仕事をやり続けること自体が非常に困難になってきている。

専門知識を身につけたといしても、その陳腐化のスピードは非常に速くなってきている。

それどころか、今や全体の3割は非正規社員である。

非正規社員の場合、一部の専門職を除き、熟練を必要としないような仕事を与えられることが多い。

そのような仕事を続けたからといって、人間的魅力が身につくのだろうか?

どうもそんなことを考えると、「男の顔は履歴書である。男は40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」という言葉そのものが、何か現実離れした、古き良き時代の言葉のように思えて来る。

一人一人が、「自分にとって働くとは何なのか?」ということを自らに問い、自分なりの答えを持つべき時期にきているような気がする。

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