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2010年12月25日 (土)

プロ弁護士の思考術/矢部正秋

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 日常の些事と思えることにも多くのオプションを検討し、その中から最適なものを選んで実行する。そうした工夫の上に、ビジネスも私生活も成り立っているのである。私はあらゆる場面で、オプション思考がきわめて効果的であると思っている。
 50代の中頃、私は一日1キロメートル、年間300キロメートル泳ぐのを日課としていた。だが、仕事で遅くなった日は、さすがにジムにいくのが億劫になる。
 こんなときでも、「行くか行かないか」の二分法ではなく、中間のオプションを考えるのが有効である。
 一度休むと、その後も何となく行きそびれ、再開するのがつらくなる。つぎの日に取り戻すには二倍以上の労力を必要とする。
 そこで私が発見したコツは、「行くか行かないか」ではなく、「とりあえずジムに行こう。少し泳ごう」と考えることである。「今から1キロ泳ぐ時間はない」と考える。こうして水泳の習慣を維持してきた。
 つまり、私が経験から学んだ方法はこうである。
 それがよいか悪いかをあらかじめ判断せずに、とりあえず一度は試してみる。「恐らくだめだろう」とか「それは無理だ」とかは、できるだけ考えないようにする。否定的な考えはいったん脇に置き、「一度は試してみよう」と考えるのである。
 われわれは旅行にいくときやレストランに行くときは、多くのオプションの中から選ぶだろう。あれはダメ、これはダメと安易にオプションを狭めないことが大切である。
 試してみても、すぐによしあしの判断をしないで、やり方を変えてみる。なぜなら、はじめから一度で「最適解」に至ることはほとんどないからである。やり方を変えることにより、よい結果が出てくるものである。
 多くのものに当たって失敗し、その中からよいものを見つける。試して失敗したときは、失敗の原因を考え、あとに役立てる。日々の生活で小さな実験と小さな失敗を繰り返し、成功への法則性を見出す。
 このように失敗から学ぶ習慣を身に付けると、失敗を恐れなくなるという大きな副産物を得ることができる。(P81~82)

二分法ではなくオプション思考、これがポイント。

私たちは何かを始めようとする時、「やるかやらないか」と二分法で考えることが多い。

しかし、少しでも物事を前にすすめるには、この二分法では行き詰まってしまう。

そうではなく、このような場合はオプション思考をする。

つまり、「やるかやらないか」ではなく、「とりあえずやってみる」という思考法を持つということ。

このオプション思考が物事を前にすすめるコツである。

特に、弁護士である著者が、このオプション思考を勧めているにのは意外であった。

私たちの弁護士に対して抱いているイメージは、物事をとことんまで考えて、最適解を導き出し、判断する人だというものである。

しかし、著者にいわせると、このような思考法をするのは、できない弁護士だという。

できる弁護士はオプション思考を身に付けているとのこと。

そうであるならば、なおさら凡人である私などは、オプション思考を身に付ける必要がある。

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