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2010年12月 7日 (火)

創造力をみがくヒント/伊藤進

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「文章を書くという作業は、無から有を創造することである」
 最近出た文章の書き方についての本を読んでいたら、こんなセンテンスに出っくわしました。
「ええっ? この著者、いったい何を考えているんだろう?」
 思わずひとりごとを言ってしまった私。
「無から有を生み出す」。文章を書くことばかりでなく、一般に創造性のことが話題になるときには、以前、よく出てきた言い方です。
 これは、一つの言葉のあやとして言っているんだと思いますが、こういう言い方は誤解を招きやすいというか、物事の本質を曇らせて見えにくくしてしまう言い方ですので、このさい、きれいさっぱりさよならすることにします。
 何も無いところから何かが生み出されるなんて、そんなばかなことは、現実にはぜったいありえません。これは、例えば料理などを考えればハッキリします。いくらおいしいものを作ろうとしても、材料や道具がなかったら、ぜったい、何にも作れない。アイデアなどもそうです。頭の中にもとになる知識があって初めてアイデアが生まれて来る。作るものが料理であれ、アイデアであれ、文章であれ、そのほか何であったとしてもです。
 ここで、創造性の定義をちょっと思い出してみると、創造性とは、新たな問題にぶつかったとき、自分なりに対処する力ということでした。問題を解決する方法を考え出したり、そのための具体的な行動を生み出す力と言ってもいい。
 しかし、創造性というのはそういった力ですよと言うだけだと、その力って、なんだかすがた形のないパワーといったイメージです。無から有の「無」ではないにしても、「無形」といった感じです。
 でも、創造性という力は、決して無形の力なんかではなく、ちゃんと実体のある力なのです。(P84~85)

「無から有を生み出す」ことを創造性だと考えている人は多くいる。

また、そのような先入観がある故に、それを天性のものだと考え、多くの人は「自分には創造性はない」と初めからあきらめてしまう。

しかし、実際に創造性を発揮している人を調査してみると、決して無から有を生み出してはいないことがはっきりとわかるという。

つまり創造性とはちゃんと実体のあるものなのである。

実体のあるものである限り、人は努力によってその創造性を手に入れることができる。

そして著者が言うには、創造性は、M(motivation・情熱)、R(resource・資源)、S(skill・スキル)が互いに影響しながら作用しているダイナミックな力だという。

情熱も資源もスキルも、結局は努力によって得ることができる。

こう考えると、創造性も努力のたまものだと言える。

少なくとも努力してみる価値はあるということである。

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