ユニクロ増収増益の秘密/梛野順三
柳井氏が組織論の中心に据えるのは、意外にも終身雇用制度だ。極めて日本的なものだが、終身雇用を維持するには企業が成長し続けることが大前提。成長しないと死ぬという柳井氏の考えが反映されている。
「経営というのはスポーツのようなもので、経営者のフィールドを与え、実践で勉強や練習をさせれば身に付いていく」という経営論を持つ。(P150)
増収増益を続けるユニクロ、
その経営者である柳井氏が経営論の中心に据えるのは終身雇用制度であるという。
終身雇用制度というと、ある意味、一度会社に就職すると、定年まで雇用が保障されるということから“ぬるま湯”と思われがちだが、
よくよくその中身を見てみると、むしろ非常に厳しいものだということがわかる。
終身雇用制度を維持するためには、企業は成長し続けなければならない。
企業が成長し続けるためには、社員にもそれなりの働きが要求される。
もちろん、経営者にも相当な覚悟が必要となる。
つまり、企業の成長、経営者の覚悟、そして社員のコミットメント、
これらが一体となったとき、はじめて可能となる厳しい制度が終身雇用制度である。
これらをすべて踏まえた上で、終身雇用制度を掲げるところに、柳井氏の経営者としての非凡さがうかがえる。
« 先の先を読め/樋口武男 | トップページ | 無知との遭遇/落合信彦 »