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2011年1月 5日 (水)

教科書が教えない歴史2 国づくりの設計/自由主義史観研究会

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 倒幕後三年もたつのに、大久保たちが実質的な統一国家をつくれないのにはそれだけの理由がありました。藩を廃止するということは、それまで各藩が集めていた年貢を政府が集めるということです。それは藩から給料を得ていた武士の失業を意味します。同様に武士に給料を払えなくなった藩の殿様も失業です。つまりそれは、徳川三百年間続いてきた武士という身分を全廃してしまう第二の革命だったのです。彼らがだまってこの改革を受け入れるという保証はありません。
 大久保利通は極秘のうちに周到な準備を進め、1871年7月、廃藩置県を断行しました。それほどの大改革が一滴の血も流さずに行われたのを見た当時の英国代理公使アダムスは「ヨーロッパでは、何百年も軍事力を使わなければ成功できない」と驚いています。廃藩置県によって、本当の意味で徳川封建体制が終わり、統一国家日本が誕生したのです。

大久保利通は西郷隆盛と比べ、日本人には人気がない。

しかし、近代日本の礎を築いた貢献度から言えば、西郷の比ではない。

大久保にはどうしても冷酷非情な印象がつきまとう。

しかし、国家の存亡という広い視野から、様々な改革を断行した大久保という政治家を持ったことは日本人が誇りにしてよいのではないだろうか。

特に、上記の廃藩置県は、大改革である。

それまで、倒幕のために共に戦った武士たちが職を失うということを考えると、大変な決断だ。

しかし、すべての人が利益を得るような改革はあり得ない。

必ず不利益を被る人たちがいる。

しかし、それを大局的な視点にたって断行する。

そこにリーダーのリーダーたる所以がある。

今の日本で、これほどの大きさを持った政治家はいるだろうか。

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