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2011年1月23日 (日)

教科書が教えない歴史20 日本の心を伝えた外国人/自由主義史観研究会

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 「占領が終わらなければ、日本人はこの本を日本語で読むことはできない」
 これは、日本占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーが1949年8月に書いた手紙の一節です。マッカーサーが日本語への翻訳を禁じた本は、その前年にアメリカで出版された『アメリカの鏡・日本』のことです。著者はヘレン・ミアーズ。占領軍の労働政策に携わった女性東洋学者でした。
 占領軍は、巧妙な言論統制や、ラジオ・新聞等によるキャンペーン、極東軍事裁判などのイベントを通じて、「日本人洗脳計画」と名付けられた作戦を実施しました。そのねらいは、次のような戦争のとらえ方を日本人の常識にすることにありました。
 大東亜戦争は、侵略的な日本人の国民性と封建的な伝統文化の結果である。日本の軍隊は史上まれに見る残虐な軍隊だった。軍国主義日本は野望を持ってアジア諸地域な侵略したが、アメリカをはじめとする民主主義諸国の正義の前に破れたのだ、等々です。
 ヘレン・ミアーズは、こうした占領軍による宣伝がいかに誤っているかを、歴史の事実に即して明らかにしました。そして、次のように、占領軍の戦争宣伝の不公平と欺瞞を批判したのです。
 「アメリカもイギリスも対中国関係では、自分たちの特権的な地位を話し合いで放棄しようとしなかった。・・・日本が韓国民を『奴隷化』したことは、歴然たる事実である。しかし、国際社会そのものが、私たちが標榜する原理に合っていない。いかなる大国も日本を処断できるほど潔白ではないのだ。・・・日本の指導部が満州と中国における行動を説明するのに使っている言葉と、今日私たちの政策立案者や著名な評論家がアメリカの政策を説明するのに使っている言葉は、全く同じなのだ」
 日本の戦争は、その国民性や伝統に原因があるのではなく、日本が近代西洋諸国のルールと行動を学んできた結果である。いまアメリカは、勝者の立場から、日本を「犯罪国家」に仕立て上げようとしているが、戦争も植民地支配も、日本がやってきたことのすべては、「私たち」西洋諸国がやってきたことではないか。それは鏡に映った己の姿である。
 「私たちは自分たちの行為なら犯罪とは思わないことで日本を有罪にしている。これは正義ではない」

ヘレン・ミアーズは、日本を礼賛しているわけでも擁護しているわけでもない。

事実を事実として見ることが必要だといっているのだと思う。

勝者が敗者を一方的に悪者にし、裁くことからは、この悲惨な戦争の経験から真の教訓を得ることはできないと主張しているのであろう。

大事なことは、起こってしまった事実から、客観的な立場に立って、物事の本質を究明すること。

しかし、物事を客観的に見るということほど難しいことはない。

客観的にみているつもりであっても、どうしても一方に肩入れしてしまっていることがほとんどではないだろうか。

私たちは多かれ少なかれ、周りの環境の影響を受けて生活している。

そして、知らず知らずの内に、思考の枠組みを作ってしまい、そこから発想してしまっている。

日本人であれば、どうしても日本という環境の中で培われてきた思考の枠組みができてしまっており、そこから発想してしまう。

限界のあることだとは思うが、

大事なことは、多様な考え方を、色眼鏡をかけずに、まずは受け入れ、

そこから発想する習慣を付けることではないだろうか。

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