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2011年2月21日 (月)

上杉鷹山「奇跡」の経営/鈴村進

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一、倹約は、しやすいところへ力を注ぐべきである。難しく、やりにくいところへ労力を費やすべきではない。「智者は事なき所を行く」という言葉もある。
 すべて物事は、こうすればこうなっていくという自然の筋道があるものである。その自然の道に従って物事を行なうこと、それが「事なき所を行く」ということである。竹は縦に割るべし、横に割るべからず。水は低いほうへ流すべし。高いほうへは流せるものではない。竹を横に割ろうとしたり、水を高いほうへ流そうとすれば、苦労ばかり多くて効果はない。

一、倹約は上に対して事を省き、簡略化すべきである。下に対して利益を争ったり、方法を煩わしくしたりしてはならない。普通上は動かしにくく、下は動かしやすいものである。そのために、節約というと、上に対するやり方はもとのままにしておいて、下に対してだけ費用を出さないようにしがちになる。こういうやり方は、無理なことだから、いつかは守られなくなってしまう。そうではなく、上に対して事を省略していけば、力も入れず苦労もしないで費用はおのずから省くことができ、それを下に対しても守らせやすくなる。これが倹約の重点である。(P203)

かつてジョン・F・ケネディは、日本人記者から「あなたが、日本で最も尊敬する政治家は誰ですか」と質問を受けたとき、

「それは上杉鷹山です」と答えたという。

また、フランスの首相を務めたクレマンソーが「健康さえ許せば、日本に行ってこの思想家と話してみたい」と述懐したというエピソードが残されている。

上杉鷹山の語った言葉で、私が知っているのは「入るをはかって出ずるを制す」という言葉だ。

その鷹山が倹約について、上記のような言葉を残している。

「竹は縦に割るべし、横に割るべからず」

「上に対して事を省略していけば、力も入れず苦労もしないで費用はおのずから省くことができ、それを下に対しても守らせやすくなる。」

これらは、今すぐにでも実行可能なことであり、また絶えず反芻してみる価値が十分ある。

ここで「上」「下」と言われていることは、立場上の上司と部下との関係を指すばかりではなく、

原因と結果、あるいは動機と成り行きという意味も含まれている。

つまり“物事の道理”に反することを行えば、余計な労力や費用がかかるだけでなく、長続きはしないということであろう。

ある意味、当たり前のことを当たり前に行うことを勧めていると言える。

物事がうまくいかなくなったら、どこかに無理があるのではないか、道理に反することを行っているのではないか、

こう考えることが必要なのではないだろうか。

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