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2011年3月 7日 (月)

山本勘助はいなかった/山本七平

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 岩間大蔵左衛門というひどい臆病武者がいた。合戦となると怯えて癪を起こし、目を回してしまうので一度も戦ったことがない。度胸をつけてやろうと考えた信玄は、馬の背に大蔵左衛門をくくりつけ、おおぜいで馬の尻を叩いて敵陣に追いこませたが、馬にも臆病の気が移って、すぐ引き返してくるという始末だ。
 そこで信玄は、彼に家中の隠し目付を命じ、何事によらず気づいたことは秘かに報告せよ、もし隠し置いて露顕することがあれば死罪に行なうぞとたっぷりおどかした。大蔵左衛門は恐れおののいて、家中の万事に注意し、余さず報告したので、おおいに役立ったという。
 信玄は言っている。
「いやしくも晴信、人のつかいようは、人をばつかわず、わざをつかうぞ。また政道いたすも、わざをいたすぞ。あしきわざのなきごとくに、人をつかえばこそ、心ちはよけれ」
 人を使うのではない、能力を使うのだ。それぞれが持っている能力をフルに生かして使ってこそ、心持ちよいという、おどろくほど合理的な人間活用論である。(P89)

武田信玄の優れた点に一つとして、人使いの巧みさがある。

上記は、そのエピソードの一つ、

「人を使わず、技を使う」これは、非常に大切なポイントだ。

人を育てられない上司の特徴は、部下の行動を見ず、人そのものを見てしまうところにある。

人を見るとどういうことになるか、

「あいつはダメだ」「あいつは優秀だ」「あいつはまあまあかな」と、

人を評価するようになる。

これをレッテルを貼るという。

そして、ダメや奴はダメなまま、もうそれ以上、育成しようとはしない、

なぜなら、ダメな奴は結局ダメで、育てようがないから、

ましてや性格を変えるなど、できる訳がない。

しかし、もし部下の行動を見る上司であれば、どうなるか、

「あいつの、あの行動がダメだ」となる、

だったら、その「ダメな行動」を直せば良い、

あるいは、「ダメな行動」がある一方、「優れた行動」があるかもしれない、

人には必ず、長所、短所があるのだから、

だったら、その長所の部分を使えば良い。

そうすれば、その部下は育つ。

これは人材育成の大事なポイントなのだが、信玄はまさにこのことを実践している。

大いに参考になるエピソードである。

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