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2011年3月 2日 (水)

人は仕事で磨かれる/丹羽宇一郎

A9r7817

 私は「エリートなき国は滅びる」と思っています。
 戦後、日本は徹底した平等化教育を行ってきました。エリートを認めない。つまり競争原理を導入せず、傑出した優秀な人間を作らないことに主眼を置いてきました。優秀な人間の能力をより伸ばそうとするのではなく、そうでない人間の能力に合わせて教育を平準化させてきたわけです。(中略)
 エリートには、その地位に見合った責任と義務が生じます。これを「ノーブレス・オブリージュ」といいます。他人のために尽くす。悪いときは矢面に立ち、良いときには後ろに下がる。謙虚さと謙譲と献身の精神を持たなければなりません。これは一般の人から見ると大変に苦痛なことです。それを苦痛と思わず、美徳として自然に行える人間、これがエリートです。(P242~244)

エリートとは、“選ばれた者”との意味である。

選ばれた者には、選ばれた者の責任がある。

高い責任感と倫理観、強い精神力、深い教養、

これが“ノ-ブレス・オブリ-ジュ”という考え方。

例えば1982年のフォークランド紛争の折り、アンドリュー王子がヘリのパイロットとして参戦した。

日本人の感覚からすると、どうして特権階級の王子様が戦場に行くのか、と思いがちだが、

これは伝統ある英国皇室にとってはあたりまえのこと。

英国では皇室に限らず、貴族といわれる階級の人たちは

戦争となると真っ先に戦場に駆けつけ、第一線でバリバリ頑張る。

これが英国伝統の“ノ-ブレス・オブリ-ジュ”。

要するに、階級が高く、普段庶民よりもよい生活をしている人は、

いざ国の一大事となった場合はいの一番に国民を守ってあげなければならないのである。

そのために貴族はまっさきに戦場にかけつけ、危険な場所で生命を賭けて敵と戦わなければならないのである。

そしてこれらはエリートを養成する教育によって養われる。

ところが、日本は、このようなことに対して拒否反応を示す人が多い。

このことを“差別”と受け止めるてしまう。

「出る杭はうたれる」という言葉があるように、

すべてを平等にという意識があまりにも強い。

そして、そのことが国の衰退を招いている。

特にこの国の弱点は、リーダーシップを持った真のリーダーがいないということである。

今、日本では、悪しき平等主義の弊害が、いたるところで表れてきている。

そろそろ、日本もその意識を変えるべき時がきている。

まずは、教育の現場から変えていくべきだろう。

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