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2011年4月 8日 (金)

未来への決断/P.F.ドラッカー

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 今日、知識労働者とくに高度の知識をもつ知識労働者は、自分たちの目的を達成するための道具として組織を見るようになっている。
 そのため彼らは、日本においてさえ、自分たちを組織に従属させるような試み、すなわち自分たちを組織の統制下におき、組織の一員であることを強い、自分たちの志を組織の目標や価値に従属させようとするいかなる試みに対しても、強い抵抗感をもつようになっている。(P283)

ドラッカーは知識労働者の登場によって、会社と社員との関係が変化してくるであろうと言う。

これまで日本の企業が採ってきた人事政策は、

いかに社員に組織への忠誠心を持たせるか、ということが中心であった。

そのために会社は、社宅を用意したり、退職金制度を作ったり、

様々な福利厚生制度を充実させたりしてきた。

そして、新卒で入社した会社で定年まで勤め上げるのが当たり前という考え方が社会にもあった。

それが近年、会社と社員との関係が変わってきた。

自分のキャリアアップのためのワンステップとして、会社に就職する社員が増えてきた。

そこには会社への忠誠心はなく、あるのは、自分の仕事に対する忠誠心、

会社中心ではなく、キャリア中心である。

これは、単に若者の考え方が昔と変わったからということではなく、

知識労働者の登場によるものだとドラッカーは言う。

つまり、知識労働者が増えてくれば、

当然のこととして、このようなことは起こるということ、

ところが、多くの経営者は、これを見て、「最近の若者は・・・・・」と言う、

それは見当違いだ、

物事の本質がわかっていない、

知識労働者が中心の社会になれば、こうならざるを得ないのだから、

問題は、このような変化が起きているにも関わらず、

従来と同じような人事政策を採ろうとする会社の側にある。

そして、相変わらず会社への従属を求める経営者の側にある。

今後、この変化は益々加速するであろう。

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