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2011年5月28日 (土)

リスク 神々への反逆(下)/ピーター・バーンスタイン

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 リスク管理の本質は、ある程度結果を制御できる領域を最大化する一方で、結果に対して全く制御が及ばず、結果と原因の関係が定かでない領域を最小化することにある。
 そもそも運とは何を意味するのだろうか。ラプラスは、運、あるいは彼が偶然と呼んだようなものは存在しないと確信していた。彼は『確率の哲学的試論』の中で以下のように明言している。
 物事はそれを惹き起こした原因なしに生起することはないという明白な原理に基づいて、現在の事象と過去の事象は結びついている。・・・・およそ偉大なる自然法則に従っているとは思われない些細な事物をも含めて、すべての事象はこの原理の結果であり、それは太陽の公転と同じ程度の必然性を持っている。
 この文章は、すべての事象が無限に繰り返されるならば、その一つ一つはすべて「明確な原因」により起こり、また極めて偶然に見える事象でさえも「ある種の必然性、あるいは、いわば運命」の結果である、というヤコプ・ベルヌーイの考え方を反映したものである。(P45)

偶然とか運という言葉、

私たちはこのような言葉を安易に使ってしまっているようなことはないだろうか。

もし、この言葉が思考停止の結果、出てきた言葉であれば、それは物事の本質を正確に捉えているとは言えない。

「考える」という行為を放棄した結果が偶然とか運という言葉になって表れるとも言える。

偶然と思えるようなことであっても、とことんまでそのことの起こった原因を究明しようと試みれば、そのうちの何割かはおそらく、原因が特定できるであろう。

原因と結果の関連性が明確になれば、もはやそれは偶然とは言えず、必然と言える。

原因が特定できれば、それによってある程度、結果を制御することができるようになる。

「リスク管理の本質は、ある程度結果を制御できる領域を最大化する一方で、結果に対して全く制御が及ばず、結果と原因の関係が定かでない領域を最小化することにある。」

この言葉は、本質をとらえている。

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