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2011年5月12日 (木)

ビジネスマンのための「個性」育成術/黒木靖夫

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 笑い話だが盛田がパリで風邪を引いて寝込んだことがある。ソニーの社員が「良く効く薬があります」と言って差し出したのだが、盛田は「フランスの薬は強すぎる」と拒んだ。社員が「でも盛田さんは国際人ではないですか」と重ねて言うと盛田はこう答えた。
 「国際人というのはまずオリジナルな国があってこそ国際人だ。それがなければただのボヘミアンだ」
 ゼネラリストはコスモポリタンという言葉に似ているところがある。国際人というのは何もできないゼネラリストのように、どこの国が本国か分からない印象を与える。世界に通用する個性とはまずもって国籍や専門を明確にした上で、かつ相手の国や人の立場を理解する能力を養うことから始まる。(P136)

今、一部の日本企業で社内の公用語を英語にしようとする試みがはじまっているが、英語をしゃべれれば国際人というわけではない。

むしろ、日本人としてのアイデンティティを確立することが何よりも大事だ。

ソニーの盛田氏といえば、ソニーを国際的な企業に成長させた立役者である。

同時に、石原慎太郎との共著『Noと言える日本人』でも象徴されるように、日本人としての強烈なアイデンティティを押し出した人物だ。

盛田氏が世界中から受け入れられたのは、まず日本人というアイデンティティを明確にした上で国際問題を論じたからであり、国連の事務総長的発言をしたからではない。

今後、経済の世界では国境は益々ボーダレス化していくことが予想される。

日本の内需は今後益々縮小し、日本の企業は海外に販路を見出さざるを得ない。

しかし、だからこそ、日本人としてのアイデンティティをしっかりと確立していかなければ、それこそ弥次郎兵衛のようにふらついてしまうことだろう。

今回の大震災を機に、もう一度日本人としてのアイデンティティを深く考え、まず学校教育から建て直していく必要があるのではないだろうか。

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