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2011年5月 5日 (木)

組織を活性化する技術/名倉広明

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 アフリカの原野から動物園に連れてこられたトラやライオンは、昼間も寝ていてまったく元気がなく、起きているのは飼育係からエサをもらうほんの数分間だけだ。見ていても面白くない。
 ところが、革新的な取り組みで注目を集めている動物園がある。北海道の旭山動物園だ。旭山動物園では、さまざまな工夫によって動物たちの「野生のモチベーション」を引き出している。野生動物から見ると、人間は彼らのテリトリー内に出没する獲物である。この点をふまえ、旭山動物園では、檻をなくし、サバンナにいるときの緊張を保つような設計がなされている。動物が自分でモチベーションを開発したのではなく、スタッフが動物の野生を引き出したのだ。(P215)

モチベーションクライシスという言葉がある。

従業員の働く意欲(モチベーション)の危機的低下という意味だ。

働く意欲の危機的低下の背景には、企業と働く人の関係の変化がある。

従来、日本の企業は、終身雇用・年功序列型賃金・退職金制度が保証となり、見返りとして個人は、「会社への忠誠心」を提供してきた。

それにより、一つの企業に長く働き続けるモチベーションの維持を可能にしてきた。

しかし、成果主義の導入が進むと共に、このような関係が崩れてきた。

これがモチベーションクライシスの背景だ。

しかし、では、終身雇用・年功序列・退職金という制度は、本当に働く人のためになったのか。

これらはある意味、企業が働く人を「檻に入れられたライオン」の状態にする飼い殺しの施策であり、決して働く人のためにはならない。

あくまで、「働く人を長い間、企業に留めておく」、という企業を主体にした考え方だ。

これが崩れた今、新しい企業と働く人との関係が求められている。

その意味で、モチベーションは、企業にとって大きな課題である。

上記は旭山動物園の「野生のモチベーション」を引き出す取り組みだが、働く人々にも同じことが言えるのではないだろうか。

元々自分の持っているスキルや特性が、職場によって活かされること、

働く人がいきいきと自分を表現でき、働くことを喜びと感じられる職場を設計し整備すること。

これらの取り組みをすれば、人々が本来持っているものが引き出されるのではないだろうか。

モチベーションの語源はラテン語のmovereであり、「何かを求めて動かす」という意味があると言う。

つまり、あくまで主体は本人であり、会社の役割は支援だということ。

自分のボスは自分であるという視点に立ち、会社はその土台を支援していく。

ここにモチベーションの再生に必要なヒントがある。

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