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2011年6月28日 (火)

競争と公平感 市場経済の本当のメリット/大竹文雄

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 岡山大学の奥平寛子准教授と私は、子供の頃夏休みの宿題をいつやっていたかを先延ばし行動の指標にして、それと長時間労働との関係を統計的に調べてみた。そうすると、管理職については、夏休みの宿題を最後のほうにしていた人ほど、週60時間以上の長時間労働をしている傾向があることが確認できた。もし仕事を引き受けすぎて長時間労働をしているのであれば、そういう人たちは所得が高かったり、昇進しているはずであるが、残念ながらそのような傾向は確認できなかった。つまり、管理職の長時間労働の一部は、仕事を先延ばしした結果、勤務時間内に仕事が終わらず、残業している可能性が高い。

長時間労働は多くの企業で問題になっているが、その点でも、上記の調査結果は非常に興味深い。

夏休みの宿題を最後の方にしていた人、つまり先延ばし行動の傾向の強い人の方が、週60時間以上の長時間労働をしている傾向がある、

これは面白い指摘である。

長時間労働の原因の一つは、本人の先延ばし行動にあるということ。

この調査は、残業代の出ない管理職に対してのものだが、一般の社員についても同じことがいえるのだろう。

普通、非管理職の場合、残業が多いと、その分残業手当が支払われる。

すると、同じ量の仕事をしていても、残業の多い、先延ばし行動の傾向が強い人の方が余計、給料をもらうことになる。

もちろん、残業代を支払わないのは法令違反なので、企業としては支払わないわけにはいかないだろうが、経営者として、何となく釈然としないものが残るのは確かだ。

これは悪平等である。

これでは効率よく仕事をしている人は馬鹿を見ることになる。

いわゆる「頑張った者負け」の状態。

おそらく、これでは誰も頑張らないであろう。

だれも効率よく仕事をしようとは思わないであろう。

そして、このような頑張った者負けの仕組みは、会社や社会の至る所に存在する。

健全な社会とは、努力し頑張った者が正当に報われる社会ではないだろうか。

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