« 「一勝九敗」の成功法則/ジョン・C・マクスウェル | トップページ | 競争と公平感 市場経済の本当のメリット/大竹文雄 »

2011年6月27日 (月)

硫黄島に死す/城山三郎

A9r9290

 (勝たなくては・・・・・)
 二度のオリンピックでは、あれほど思いつめていた。
 戦争になってからも、そう思っていた。
 だが、硫黄島では、もはやその言葉は通じない。(いつ死ぬか、いつまで生きのびるか)だけが、問題になった。(中略)
 空襲と砲撃の中で、陣地を移しながら、西部隊は戦いつづけた。
 爆撃の音がやむのは、暁方のごく短い一時。島の上には、朝焼け雲に似た硝煙の幕が垂れこめ、空を隠している。
 サイパンから、また真珠湾から、敵艦船は数を増すばかりであった。計数に弱い西ではあったが、どこをどう計算しても、はじめから勝てるはずのない戦争であった。(P51~52)

自ら海軍経験があり特攻の手前までいった城山氏の戦争をテーマにした短編。

1932年のロサンゼルスオリンピック馬術障害飛越競技の金メダリストで、第二次世界大戦に従軍し、硫黄島の戦いで戦死した西竹一中佐の若い頃から、硫黄島で戦死するまでを描いている。

どんな競技でも、最終目的は勝つことである。

ところが、西中佐の戦いは、勝てるはずのない戦争、

いつ死ぬか、いつまで生きのびるかだけが問題となる戦争。

このような状況に置かれた人々の心情など、軽々に語ることは憚れる。

ただ現代に生きる私たちも、そんな時代があったのだと心にとめておくことは必要だろう。

« 「一勝九敗」の成功法則/ジョン・C・マクスウェル | トップページ | 競争と公平感 市場経済の本当のメリット/大竹文雄 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 硫黄島に死す/城山三郎:

« 「一勝九敗」の成功法則/ジョン・C・マクスウェル | トップページ | 競争と公平感 市場経済の本当のメリット/大竹文雄 »