いい会社はどこにある?いい人材はどこにいる?/伊藤秀一
つい先日、私は電車の中で若い女性同士のこんな会話を聞きました。
A:「○○クン(たぶんAのカレ氏)、今はシゴ卜してないんだよねえ。バイトもたまにだけ。なんかもっとデッカいことがやりたいっていつも言ってる」
B:「へえ-、△△(たぶんBのカレ氏)も今年卒業なんだけど就活してないみたい。なんか『マジで好きなことを見つけるまで就職しない』って」
耳を疑った私の感覚が今の時代に合っていないということなのでしょうか。自分のカレ氏が「定職についていないこと」を、特別な悩みでもなく日常会話として話しています。いや、むしろデッカい夢を抱いているその彼のことが自慢気にさえ聞こえてくるのはなぜでしょう。大風呂敷を拡げている割に定職を持たないオトコなど、ひと昔前だったらサイテーだったはずです。(P38~39)
多くの若者は「オレ流」や「個性」をはき違えて「働く」ことへの意義を見失っているように見える。
一擢千金を狙うだけでコツコツと働くことを嫌っていても、成長はない。
世の中の全員がプロ野球選手やアーティストではいられない。
ましてや、勤労意欲を失って家で引きこもってゲームばかりしていても一銭にもならない。
なぜこんな意識が根付いてしまったのだろうか。
高校や大学を卒業しても就職できない若者が増えている。
しかし、それは大企業に限った話し。
中小企業では恒常的に人材不足である。
中小企業に目を向ければ、いつでも就職できるだろう。
なぜ、それをしないのか。
デッカい夢を抱くことは必要だ。
しかし、夢と妄想とは違う。
今のニッポン、多くの若者が言っているデッカい夢とは、単なる妄想にすぎないのではないかと思えてならない。
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