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2011年7月17日 (日)

バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる/高橋洋一

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 2010年8月の参議院選挙直前の党首討論で、菅直人首相が「労働保険特別会計については、埋蔵金と言われるが、自分が政権をとって分かったことだが、実はあれは法律を変えなければ使えない」と発言していました。
 自分も少しは勉強して法律を覚えたと言いたいのかもしれませんが、「法律を変えなければ使えない」という言い方は完全に役人の論理です。
 私が情けないというのは、役人は法律を変えることはできませんが、政治家は法律を変えることができるからです。できるどころか、法律を変えることこそが政治家の仕事です。
“ロウメーカー”なのですから。国会で法律を通す与党のトップが、「法律を変えなきゃできない」などと役人の口まねをするのは、不見識きわまりない妄言です。(P61~63)

特別会計の問題は、かつて塩川財務大臣が「母屋でおかゆを食べているのに、離れですき焼きを食べている」といった言葉に象徴される。

特に労働保険特別会計については、自分も社会保険労務士である関係で関心のある問題である。

たとえば雇用保険料については、労働者に支給している給与に一定の率を掛けた額を企業が国に納めている。

その総額はおよそ16兆円。

そのうち、失業者に支払うお金等で必要な額は10兆円程度。

では、残りの6兆円は何に使っているのか。

主に官僚の天下り先に使っている。

これは多くの人が知っていること。

これを変えるには法律を変える必要がある。

そして、その法律を変えるのは国会議員の仕事。

三権分立の中で国会議員には立法権が与えられているではないか。

だから管首相の「法律を変えなければ使えない」という言葉を聞くと情けなくなる。

「法律を変えるのは、あなた方の仕事でしょう」と言いたくなる。

役人がそれを言ったというのであれば分かる。

役人には行政権しか与えられておらず、法律を変えることはできないのだから。

しかし、国会議員の仕事は法律を作ったり変えたりすることではないのか。

この国の政治は何かおかしい。

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