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2011年7月 3日 (日)

負け犬の遠吠え/酒井順子

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 結婚していない三十女と話していて、
「で、あなたも私も負け犬なわけじゃない?」
 と何気なく言ってみると、多くの負け犬は必死にかぶりをふったり、喰いついてきたりするのです。
「ええっ、結婚してないと負け犬なワケ?どうして?結婚で勝ち負けは決まらないと思うわ!」
 とムキになる人は、ムキになる時点で既に負けている。
「私、結婚してはいないけどボーイフレンドはちゃんといるし、先週も○○さんに誘われたしその前は××さんに旅行に行こうって言われたし・・・・・」
 と「男には不自由してません」ということを必死にアピールする人は、「結婚相手として男性から選ばれたことはない」ということに負い目を感じているからこそ、言い訳をせずにいられないのだろうと推測される。
 負け、という言葉を出すとこうもビビッドな反応があるところを見ると、負け犬は心のどこかで自らの負けを自覚しつつ、それを認めることができないでいるのでしょう。負け犬的パーソナリティーを持つ人はたいてい負けず嫌いで、負けることに慣れていないものですし。(P270~271)

2004年、ベストセラーとなった酒井順子のエッセイ。

著者は30過ぎて結婚していなくて子供もいないような女性のことを「負け犬」と皮肉っている。

人は誰でも負けるのが嫌いだ。

しかし、自分は負け犬だと開き直ることによって、生きることが楽になるところがあるのではないだろうか。

昔ほどではないにしろ、30過ぎで独身の女性に対する周囲の目は、特別なものがある。

言葉に出さなくても、いや、むしろ言葉に出さないことによって、当人はかえってその空気を感じる。

だったらそれを逆手にとって、むしろ自分の方から「私、負け犬です」と言っちゃった方が楽に生きられるんじゃない、と言っているように思う。

ある意味、これも一つの処世術だと言えよう。

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