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2011年7月25日 (月)

9割の病気は自分で治せる/岡本裕

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 忙しい診療業務を続けているうちに、ふと気付いたことがあります。
 私がいなくても治る人は治っていた。
 私がいても治らない人は治らなかった。
 という事例がいかに多いかということです。これは医者の私にとって非常に重い事実です。病気の状態(病態、疾患)をおおまかに分類してみると、次の3つのカテゴリーに分けることができます。
カテゴリー1:医者がかかわってもかかわらなくても治癒する病気
カテゴリー2:医者がかかわることによってはじめて治癒にいたる病気、言い換えると、医者がいないと治癒に至らない病気
カテゴリー3:医者がかかわってもかかわらなくても治癒に至らない病気
 開業医や市中病院の医者が日常診療で遭遇する疾病のほとんどは、カテゴリー1にあたります。その比率は、少なくとも、70%以上、多ければ90%以上だと思います。ちなみに私の場合、実際に数えてみますと、実に95%がカテゴリー1に属していました。(P28~29)

岡本氏によると、開業医、あるいは市中病院の勤務医が1日に外来で診る患者の数は平均で50~60人だという。

逆にいえば、1日50~60人くらい診ないと経営が成り立たないのも、医療現場の厳しい一面。

そうすると、実働時間を午前と午後でそれぞれ3~4時間くらいだとすると、必然的に1時間に10人くらい診る必要がある。

1時間に10人診るためには、1人5~6分しか時間が取れない。

どうしても、患者さんを機械的に「さばく」ことになる。

型通りの検査を指示し、決まったクスリの処方箋を出したりするだけのルーチンを回す。

要求されるのはスピードと正確さで、人間味や人間的なさじ加減は必要とされない。

いかに間違わずに検査をオーダーし、間違わずにクスリを処方するかが求められる。

そして課題は、上記カテゴリー1の患者をいかに確保するかということ。

カテゴリー1の患者に、クスリを投与し続け、できるだけ長く通院してもらう。

それによって、安定収入を確保する。

カテゴリー1の患者とは、病院からみれば「おいしい患者」である。

多くの病院の実態はこのようなものだという。

生きていく中でどうしてもつきあっていかなければならないのが病院。

それだけに、このような実態を知った上で、上手に利用していきたいものである。

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