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2011年8月 1日 (月)

グレート・ギャッツビー/スコット・フィッツジェラルド

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 ギャツビーは緑の灯火を信じていた。年を追うごとに我々の前からどんどん遠のいていく、陶酔に満ちた未来を。それはあのとき我々の手からすり抜けていった。でもまだ大丈夫。明日はもっと速く走ろう。両腕をもっと先まで差し出そう。・・・・・そうすればある晴れた朝に―――
 だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも。(P325~326)

もう30年以上前に一度読んだことのある小説だが、村上春樹が翻訳したということで興味を持ち読んでみた。

この小説は、デイジー・ブキャナンに対する、ギャッツビーのかなわぬ思いを描いたラブストーリーでもある。

2人の出会いは、物語の始まる5年前。

若きデイジーはケンタッキー州ルーイヴィルで評判の美女。

ギャッツビーは貧乏な将校。

2人は恋に落ちるが、ギャッツビーが海外出征している間に、デイジーは、粗暴だが非常に裕福なトム・ブキャナンと結婚してしまう。

戦争から帰ってきたギャッツビーは、なりふりかまわず、富とデイジーを追い求めることに没頭する。

金持ちになったギャッツビーは、デイジーの住まう高級住宅地のイースト・エッグと、ロングアイランド水道を挟んで向かい合わせの地所に大豪邸を購入し、ぜいたくなパーティーを開いて、デイジーが現れるのを待つ。

そして、彼女が登場すると、物語は、悲劇的な様相を見せはじめる。

貧しさの中から身を起こし、裕福になり、失われた過去をたぐり寄せようと夢を追い求め、あと少しのところで崩壊していくギャッツビー。

読み終わったあと、深い余韻の残る作品である。

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