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2011年8月 8日 (月)

官僚の責任/古賀茂明

Bt000012798100100101_tl_2  経産省の官僚のなかには、私だけではなく、自由化を推進しようとする改革派が少なくなかった。にもかかわらず、電力自由化はそれほど進まなかった。それは、どうしてなのか・・・・・・。
 一部電力自由化を中心になって実現したのは、当時、公益事業部長という電力やガス会社と直接対峙するポストになったある改革派の官僚だった。電力自由化が進めば、東電をはじめとする既存電力会社は不利益を被ることになる。だからその官僚は東電と激しく対立することになった。東電側からすれば、「こいつだけは許すまじ」という感じだったのだろうと思う。
 その官僚は一部電力自由化を達成し、局長ポストにも就いた。すると、東電が当時の次官に圧力をかけた。
 「万が一、彼が次官にでもなったら、とんでもないことになる」
 東電はさらに自由化が進むことを恐れた。そこで、「絶対にこいつには出世させるな」と働きかけたというわけだ。
 結果、その改革派の官僚は志半ばで経産省を去ることになった。同時に電力自由化論議も進展することはなく、東電の独占体質は温存されたというわけである。
 その官僚が経産省を去るとき、東電がこう言ったとの話がまことしやかに伝わっている。
 「すいませんねえ。ウチがいろいろご迷惑をおかけしたようで・・・・・・」

今回の震災は人災であるというのが、もはや日本国民の共通の認識になっている。

それほど経産省と東電の癒着は目に余るものがある。

経産省にとって東電は最も有力な天下り先であり、持ちつ持たれつの関係にある。

しかし、それが国益を損なうところまでいってしまったところに問題がある。

経産省も東電も、おそらく一流大学を出た、優秀な人材を採用していることだろう。

ところが、組織の中に入って働く中で、見事に染まってしまう。

逆に、染まっていかない人は、排除され辞めていく。

問題は明らかである。

経産省も東電も競争原理が働かないということ。

そして、「顧客」という視点が全くない。

そのため、極めて内向きな組織になってしまっている。

年功序列、終身雇用、そして決して潰れることのない組織、これが諸悪の根源。

健全な民間企業であれば、競争に勝つための自浄作用が働くものだが、それがない。

経営とは合理性を追求するものだが、それもない。

電力会社にも競争原理が働くよう、少なくとも電力はすぐにでも自由化すべきだろう。

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