100歳になるための100の方法/日野原重明
たとえば風邪をひいて熱があったら、お医者さんは風呂に入らないで寝なさいというでしょう。私は去年の秋、風邪をひいて三十八度五分の熱があったんです。講演があったから、アスピリンを飲んで汗を出して熱を下げたんだけど、終わったらグッタリ疲れちゃってね。患者さんには「風呂には入らないように」というところなんだけど、家に帰って、お風呂に入ったら気持ちいいだろうなと思ったんです。それでね、入ったの(笑)。そして早く休んだら、あくる日の爽快なこと。
どうして熱のあるとき風呂が悪いかと考えたら、理論はないんです。アメリ力では子どもが熱を出したら冷たい水に入れたりアルコールで拭いたりして体温を下げるでしょう。風呂に入ってはいけないというのは、そんなことして肺炎になったら医者の責任になるからという逃げの構えで、本当の理由はわかっていないんです。(P161)
風邪をひいて熱があったら風呂に入らないで寝たほうがよい、ということは子どもの頃よく聞かされたことだが、日野原氏によると、そのような理論はないということ。
考えてみると、世の中には、そのような迷信がたくさんある。
今でもはっきり覚えているのは、高校生だったころ、当時サッカー部に所属していたのだが、そのときよく言われたのは、練習中や試合中は水を飲んではいけないということ。
これなど、完全な迷信である。
よく脱水症状にならなかったものだ。
今だったら、スポーツ選手は、積極的に水分を補給することが勧められている。
おそらく、私たちの周りには、まだまだ自分でも気付いていない迷信がたくさんあるのだろう。
それにしても、100歳近くになってこのような柔軟な考え方ができるというのはすごい。
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