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2011年9月 4日 (日)

『未来のスケッチ』 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある/遠藤功

Bt000011589400100101_tl  新園長の坂東さんへのインタビューで人づくりについて尋ねたとき、もっとも印象に残っているのが次の一言でした。
 「うちは『串団子』なんです。団子ひとつずつを見れば、大きい、小さいといろいろある。大切なのは、それぞれの団子が一本の『軸』に刺さっていること。『軸』に刺さってさえいれば、大きい、小さいは個性であり、その個性を活かせばいい」

現場を活性化させるには、一人一人の個性を認めて、個の中に眠っている潜在的な力を引き出すことが不可欠。

ところが、現場力が衰えた企業の多くでは、効率的な管理という名のもとに、「団子」の大きさや形をそろえ、むりやり整えようとする。

なかには、現場で働く人たちを「駒扱い」する企業も増えている。

同質化した「団子」の集団からは、同じような発想しか生まれない。

異質なものへの抵抗も大きくなりがちになる。

同質化した組織がやがて思考停止に陥り、環境変化に対応できずに淘汰されていくのも、ある意味、当然といえる。

ただし、個を活かすといっても、個がそれぞれ違う方向を向いたままでは、チームとしてのまとまりができず、組織として機能しなくなる恐れがある。

そこで必要となるのが、串団子の「串」の部分。

「串」は、理念、価値観、ビジョンと言い換えてもよい。

ゆるぎない一本の「軸」で個々の「団子」が連なることで、一人一人が発揮する力が全体最適へと向かうことが大事。

残念ながら、現在は「軸」を見失っていたり、「軸」そのものがブレている企業が少なくない。

「軸」が揺らいでいる企業は、現場を迷わせ、混乱に陥れる。

一人一人を型にはめ込み、個性を喪失させるだけではなく、競争力の源泉である現場力を大きく低下させる一因になっている。

旭山動物園は、一人一人大きさや形の違う個性的な「団子」が、「命の輝き」を伝えるというゆるぎない「串」によって貫かれ、組織として最高のパフォーマンスを発揮している。

それを実現するために必要とされる基本的な考え方や仕組みを学ぶことは、閉塞感が充満した今の日本企業にとっての活路になるはずだ。

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