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2011年10月 7日 (金)

マネジメント革命/天外伺朗

_  マネジメントとは何かを、まともに問うと、人間とは何か、という根源的な問題に行き着く。簡単に「こうですよ」と答えられるような生易しい話ではない。
 今日のマネジメントの選抜や教育のシステムが、たいして有効に働いていないのには、ちゃんとしっかりとした理由がある。それらのシステムは、組織や人間が合理的な存在だ、という前提のもとに作られているからだ。
 よく考えればすぐ解ることだが、これは大きな錯覚だ!
 多くの人が、組織や人間が本来合理的に動くはずだと、頭では考えている。あるいは、合理的な存在であって欲しい、と願っている。
 しかしながら、その実態はさっぱり合理的でないことは、誰でも心の奥底の方で身体的に把握している。ところが、自分の言動の合理的ではない部分は、「良くないことだ」として、コソコソと隠蔽しようとする傾向がある。他人の場合は、非難の対象にすらなる。
 企業経営や人事のシステムでは、このはみ出した部分を、あたかも存在しないかのごとく考え、無視していることが多い。
 これは間違いだ!救いようがない、大間違いだ!
ーー人間でも組織でも合理性からはみ出した部分は合理的な部分に比べてはるかに大きく、はるかに大切で、はるかに本質的。それを無視した企業経営は欠陥商品!ーー
 いままで、その欠陥商品でも何とかやってこられたのは、従業員たちがその欠陥を、何とも人間的な包容力で補ってきたからだ。タテマエとホンネをうまいこと使い分けて、うやむやにごまかしてきたからだ。合理性よりも、人間的な心温かい情を大切にする人が多かったからだ。
 だから、管理を強化し、近代的で精密な経営手法を導入すると、企業がおかしくなる。(P16~17)

この本の著者名「天外伺朗」は、ソニーの取締役だった土井利忠氏のペンネーム。

AIBOの開発者でもある土井氏が、井深氏、盛田氏の時代のソニーでいったい何がおこなわれていたかを、マネジメントの観点から分析したのがこの本だ。

この本で一貫して著者が主張していることは、

欧米から入ってきた経営論は、「人間は合理的な存在」という前提で考えられている、

しかし、人間はそもそもそのような存在ではない、

そのような前提でマネジメントするので、ソニーはおかしくなってしまった。

もっと人間性に基づいた、指示・命令をしない長老型マネジメントが必要だというもの。

会社はそこに集う人々が人間的に成長するために乗り合わせる乗り物。

利益を出すのはもちろん必要なことだけど、それと同時に利益を出すという活動を通して、社員一人ひとりが人間的に成長することが大事だという。

これは日本的なマネジメントといえるものだが、組織や人間は合理的な存在だという前提で考えると、おかしくなってしまうというのは確かだ。

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