「本物の営業マン」の話をしよう/佐々木常夫
私はかつて部下に「礼儀正しさは最大の攻撃力である」という話を何度もしてきました。そして「礼儀正しさだけでリーダーになれる」とも言ってきました。
私はリーダーというのは「幼稚園の頃に学んだことをきちんとできる人」だと思っています。
どういうことかというと、
「人に会ったら挨拶をしなさい」
「皆と仲良く遊びなさい」
「仲間はずれを作ってはいけません」
「嘘をついてはいけません」
「間違ったことをしたら勇気をもってごめんなさいと言いなさい」
といったようなことです。これができる社会人はなかなかいません。だからこそ、これができる人は人から信頼されます。
営業をしていくうえで最も大事なことは「真筆である」ことです。顧客への訪問時には時間を守る。会ったらきちんと挨拶をする。求められた資料は約束の日までに届ける。ミスをしたらきちんと謝る。そうした真塾な行動をとることが顧客との信頼を築き上げる最短コースです。(P172~173)
本書は、営業について書いてあるのだが、方法論、テクニック論というより、むしろ姿勢論と言って良い内容。
営業にたずさわる人間は営業という仕事をどのようにとらえるべきなのか、
「営業」と「販売」とは、似ているようで全く異なる。
「販売」ということであれば「物を売る」ということでよいだろう。
しかし、「営業」ということになると単に物を売ればおしまいということにはならない。
「営業」とは「事業を営む」ことである。
営業とはたんに物やサービスを売る仕事ではない。
顧客や市場からニーズを探り、需要のある商品を会社に作らせ、それを提供し、利益を上げる。
つまり「事業を営む」。
その結果としてお客様を幸せにすることこそが「本物の営業」なのである。
よって、本物の営業マンになるために、最も必要なことは「真摯である」こと。
「真摯である」ことで、思い出すのはドラッカーの言葉である。
ドラッカーの著書を読んでいると、何度も繰り返し「真摯であること」という言葉が出てくる。
そして佐々木氏は「幼稚園の頃に学んだことをきちんとできる人」がリーダーだと言っている。
でも考えてみれば確かにそうだ。
「ウソをつかない」とか「約束を守る」とか「間違っていたらちゃんと謝る」とか、・・・
これらがきちんとできている大人は意外と少ない。
年齢は大人でもどこかで退化してしまった大人が多いということだろうか。
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筆者のベストセラー「そうか、君は課長になったのか」にも同じ内容がありました。
よほど大切にしていることなのですね。
投稿: tuna | 2011年10月28日 (金) 17時15分
tunaさん、コメントありがとう。
「そうか、君は課長になったのか」は去年読みましたが、
そう言えば、そんな気がします。
自分の大切にしている確かなものをもっている人は
ブレない生き方ができるので強いですね。
投稿: 日々新た | 2011年10月28日 (金) 22時08分