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2011年10月 8日 (土)

星野リゾートの教科書/中沢康彦

Bt000011958600100101_tl  企業経営は、経営者個人の資質に基づく「アート」の部分と、論理に基づく「サイエンス」の部分がある。私は経営職に就いた当初から、自分にアーティスティックな経営判断を行う資質があるとは思っていない。どんな時にも自分の直感を信じることができず、それはあまりにもリスクが大きいと感じてしまう。私は自分の経営手法の中でサイエンスを取り入れる必要性を感じ、教科書を根拠とする経営を始めた。

軽井沢の老舗温泉旅館から、日本各地でリゾート施設を運営する企業へと飛躍した星野リゾート。

その成長の背景には、星野氏が実践した「教科書通りの経営」がある。

星野氏は自らについてアーティスティックな経営判断を行う資質がないと言っている。

それ故に、「教科書通りの経営」をするのだと。

そして、その通りに実践し、日本各地のリゾート施設を再生してきた。

その手法が正しいことは、その実績が証明している。

経営ということを考えるとき、どうしても経営者のカリスマ性や、独創性、先見性という属人的な要素に目が向けられがちだ。

松下幸之助、井深大、盛田昭夫、本田宗一郎、これらの経営者の語録や関連書籍は今だに売れ続けている。

確かに学ぶべき点も多いのだが、どうしても「この人だったから」という、経営者個人の資質による部分が大きい。

現在でも、成功している経営者には個人的な資質で成功しているタイプが多い。

むしろ、星野氏のように個人の資質によらず、「教科書通りの経営」をする経営者は少数派と言ってもよい。

しかし、多くの経営者が自らの経営に取り入れることができるのは、星野氏のやり方だ。

カリスマ経営者の手法は、他の経営者はマネすることができない。

本書で、星野氏は戦略やマーケティング、リーダーシップを学んだネタ本30冊と、それらの本に記された理論の実践事例を一挙紹介している。

それにしても、ここで紹介されている書物のほとんどが欧米人の書いたものだというのは、何とも寂しい。

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