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2011年10月19日 (水)

東大で教えた社会人学/草間俊介+畑村洋太郎

_   自分で答えが出せないときは誰かに判断してもらうしかない。しかし、所属している会社の上司や同僚に相談しても自分と同じ組織の内側からの視点しか持っていないし、その会社にとって必要な人材なら答えは決まっていて、転職や独立を思い止まらせようとするだろう。社外の友人や知人は親身に相談に乗ってくれるかもしれないが、多くの場合は自分と同じ目の高さでしか判断できない。
  一番頼りになるのは、自分と自分が置かれている状況をより高い視点からワイドに見てくれる人。もっと言えば、視点の高さと視野の広さに加え、過去の経験に基づいて未来のビジョンまでも的確に見通せるような時間軸の視点を持っている人だ。
  それが親分だと私は思っている。
  親分・子分の関係というと、傍に置いてもらう代わりに子分は親分に忠誠を誓うという任侠のイメージが付きまとうけれど、その人の“器量”に惚れて「この人についていきたい」と思えるような人間関係というのは一般社会でもある。
  いい親分は口が悪くても本心では子分を気づかうから、子分が迷ったときには相談に乗ってくれる。「ああしろこうしろ」と問題解決の糸口を与えてくれる。    子分の間違いを時には厳しく、時には優しく正してくれる。そして人生をより高みへと導いてくれる。いい親分に巡り会えば、それは一生の宝を得たのと同じだ。(P186~187)

本書はもともと東大の技術系の学生向けに草間俊介氏が講義したものを書き下ろしそれに失敗学の権威、畑村洋太郎氏がコメントを入れたもの。

ここで草間氏は「いい親分に巡り会えば一生の宝を得たのと同じ」と説いている。

最近、リーダー不在というご時世か、リーダーシップ論がそこかしこで説かれている。

しかし、リーダーとは要するに「親分」なのだと言えば、非常にしっくりくるのではないだろうか。

親分になる資格のある人はどんな人か。

親分には器量が要るわけで、誰でも親分になれるわけではない。

会社組織の部長や社長にはある意味、誰でもなれる。

しかし、親分になれるかどうかは個人の資質の領域だ。

親分の資質を思いつくままに挙げてみると、

知恵のある人、

金のある人、

器量のある人、

経済的に自立した人、

品格のある人、

マクロな視点を持っている人、

責任の取れる人、

信頼できる人、

圧倒的な能力・実力を持っている人、

度量の広い人、

やたらなことではオタオタしない人・・・

まさにこれは、リーダーとしての資質である。

そう考えると、良いリーダーとは、要するに親分なのだと言った方がしっくりくるかもしれない。

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