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2011年10月29日 (土)

ハリウッド女優になったOL奮闘記/中村佐恵美

Bt000012940200100101_tl  「答えはすべて自分のなかにある」
  あのシャーリー・マクレーンの本の一節が頭に浮かんだ。私は変わらなくてはいけない。一誠君を当てにしたり、周りの人に自分の人生を決めてもらうのではなく、自分で何がほしいのか、やりたいのか知るべきなのだ。私は恐る恐る自分に尋ねてみた。
  「私は何がしたいの?」
  「・・・・・・」
  しばらく待ってみたが、自分のなかからは何の答えも聞こえてこなかった。自分は本当に中身の何もない人間なのだろうか。もう一度気を取り直して聞いてみることにした。今度はなんとなく遠慮がちに、
  「じゃあ、何か夢みたいなものはないのかな」
  と聞いてみた。すると、
  「夢、夢ねえ・・・・・・」
  と反応があった。
  「何でもいいのよ。すごく馬鹿げているような、子どものころに持った非現実的なものでもいいから、何かなかったかな」
  「高校時代に、映画『フェーム』とか『フラッシュダンス』を観て、あんなふうに貧乏しながらも夢に向かって頑張っているのって素敵だなって思ってたじゃない。ソニーのコマーシャルでウェートレスして家に帰る途中の女の子が、ショーウィンドウに飾ってある真っ白いチュチュを見ながら、自分がそれを着て舞台で踊るのを想像してマンハッタンの夜の街角でルルベをするの、そしてそのときに♪エブリナイト、サクセ~ス♪って歌が流れるの聴いて、鳥肌が立つほど感動してたじゃないの。あんなふうに一生懸命に生きるのが夢なんじゃないの。外国で生活するのは子どものころからの夢だったし、演劇勉強しにアメリカに行ってみたら」
  「・・・・・・」
  思いがけない答えが自分から返ってきて、今度は聞いたほうの自分が黙ってしまった。

「夢」という言葉、口にする人は多いが、本当に夢の実現のために一歩を踏み出す人はそう多くはいない。

その意味では、著者は稀な存在だ。

私の夢っていったい何?

率直な疑問をみずからに向けた彼女の答えは「アメリカで女優になるんだ」というもの。

そして夢を実現させるため、大企業のOLを辞め、驚く家族を説得し、恋人を日本に残し、単身ハリウッドに乗りこむ。

しかし、そこで待ち受けていたのは、言葉の壁、孤独、摂食障害。

ある時は、それに負けそうになりながら、ひとつひとつハードルを乗り越え、ハリウッドで役を獲得し、夢を実現させていく。

そのスタートとなったのは、自分への問いかけ。

「答えはすべて自分のなかにある」

その「答え」に忠実に生きたことが今へとつながっている。

誰もがまねできる生き方ではないが、自分の内なる声に忠実に生きる、その生き方には大いに刺激を受けた。

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