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2011年11月 7日 (月)

日本の大問題が面白いほど解ける本/高橋洋一

4334035620  最近、「民主党の経済運営がマズイので、財政破綻してしまう」という話がしばしば出てきます。
 この手の話について、まず指摘しておきたいのは、みんなが心配する恐ろしい話をしておくほうが無難だということです。「日本は絶対に大丈夫」なんていっても、信じてもらうのは大変ですし、「日本は財政破綻する」といって予想が外れても、みんなにとって良い結果なので恨まれることがないからです。ですから、こういう悲観論には、適当に話を合わせておけばいいのです。
 しかし、たまには本当にどうなるのか考えるのもいいでしょう。そのときに重要なのは、言葉の定義をしっかりしておくことです。
 たとえば、国が破綻するという人は、多くの場合「国の破綻とは、国債が暴落すること」といいます。では、国債の暴落とはどういうことでしょうか。それはもちろん、国債価格が急落することです。
 日本で典型的な10年国債の場合、いまは金利が約2%ですが、これが5%になれば、国債価格は25%低下します。金利が10%になれば50%低下します。
 暴落とは、国債価格がどのくらいの期間で何%低下することをいうのか。これを明確にしない限り、議論は無意味です。

最近、「このままでは国が破綻する」という話がよく出てくる。

しかし、問題は、「何がどうなれば破綻するのか?」「そもそも国家が破綻するとはどういうことなのか?」ということが曖昧なまま、「破綻する」という言葉だけが一人歩きしてしまうこと。

「国の破綻とは、国債が暴落すること」というならば、では「国債が何%になれば破綻するのか?」

この点を明確にしなければ、まるで「狼が来た」と叫ぶ少年の話と同じレベルの話になってしまう。

ちなみに高橋氏によると、名目GDP成長率が4%を超えると、国債金利を上回る傾向があるので、4%の名目GDP成長率が黄金率だとのこと。

税金には所得税のような累進構造があるので、名目成長率が高まると、税収はそれ以上に増える。

これは税収の弾性値といって、成長率が1%増えたとき、税収は何%増えるかという指標。

日本では税収の弾性値は1.1くらいで、成長率以上に税収は増える。

だから、名目GDP成長率が4%以上なら、財政再建は問題なくできる。

要するに、国が破綻するかしないかは、名目GDP成長率を4%以上にできるかどうかにかかっているということ。

こう言ってくれると、議論しやすくなる。

ちなみに名目4%成長は、世界から見れば決して高くない。

日本もインフレになれば名目4%成長はそれほど高いハードルではない。

問題は、デフレである。

つまり、日銀がデフレ対策を何もやっていないこと。

これが一番の問題ではないだろうか。

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